診。
「健康診断だ!!」
メリー号の甲板にチョッパーの掛け声が響く。
「あぁーー? いらねぇよンなの」
「おれら健康だぜ」
「そうそう、心配いらねぇって!」
「食事も栄養バランス考えてるしな」
男連中は揃いも揃って、やんわりとそれを拒絶した。
「え、で、でも、年に1回くらいはちゃんと検査しないと・・・」
「大丈夫だって!」
「別に怖いことしないよ」
「誰も怖がってねぇだろーー面倒なんだよ」
確かにこの船のクルーたちは、怪我はしても病気は滅多にしない。
「風邪を引いたこともない」というツワモノ揃いだ。
だがチョッパーからすれば、船医としての責任を果たすためにも健康管理はしっかりしておきたい。
せめて年に1度の問診・血液検査等をしたいのだが、
全員が文句を言いながらチョッパーの傍から離れていく。
「・・・分かったよ、また今度な・・・」
チョッパーは今日は諦めて、しょんぼりと項垂れる。
「せっかくナミに手伝い頼んだのにな・・・悪いことしたなぁ」
小声で呟いたその言葉に最初に反応したのは、もちろんサンジだった。
「おい・・・今何つった?」
「え? だからナミに助手を頼んだんだけど、ムダになっちゃったなー・・・って」
「ナミさんに・・・」
サンジが鼻の下を伸ばしながら妄想を始めたのと同じ時、
ナミが倉庫から出てきた。
「チョッパー、誰から始めるの?」
現れたのは、ナース姿のナミだった。
淡いピンクのナース服に、同じ色のキャップ。
看護師と呼ぶには似つかわしくない短いスカートから、スラリと白い足が伸びている。
「・・・・・・何?」
甲板に散らばっていたクルーたちの目が、一気にナミに集中する。
サンジは目をハートにして両手を胸の前で組み、幸せそうに頭のてっぺんから魂を出していた。
「あのなナミ、皆が絶対にイヤだって言うから中止に・・・」
「誰がイヤだなんて言った!? さぁお願いしますナミさん!!!」
魂を引き戻したサンジが物凄い勢いでナミの前に跪き、シャツの袖を捲り上げて差し出す。
「えーと、じゃあサンジくんから? とりあえず血圧だっけ、チョッパー」
「あぁ、じゃあ他の皆も後から・・・」
チョッパーが安心したように皆を振り返ると、
いつの間にやら全員集合していた。
ナース姿をしているとは言え、ナミに看護師の経験があるわけではなく、
チョッパーに事前に教えてもらって血圧測定をする程度の手伝いなのだが。
その姿だけでとりあえず男性陣は満足らしい。
全員素直に、2階で一通りの健診を終えた。
既に終わった者も、キッチンのテーブルに座って他のクルーの健診の様子を見ていた。
健診を見ていたのか、ナミの姿を見ていたのか。
それは人それぞれだが、ほぼ100%ナミを見ていたのは間違いない。
「さーて、あとはナミだな!」
「あ、そっか。私もあるんだっけ・・・」
「ナミさん、助手はおれがやります〜vv」
サンジが下心丸出しの顔で近寄るが、ナミはさらっとそれを無視し、
突然何かを思い出したように顔を明るくして立ち上がった。
「ちょっと待っててね、チョッパー!」
「ナミさぁ〜・・・・ん」
女部屋へと駆けて行ったナミは、すぐに白い布を抱えて戻ってきた。
「はいゾロ!!」
「・・・あ?」
ナミはにっこりと微笑んで、ゾロにその布を押し付けた。
テーブルに片肘を付いてぼんやりと座っていたゾロは、首をかしげてそれを見た。
「・・・またコレか・・・?」
「助手よろしくね、ゾロ!」
白い布を広げると、それは以前ナミが買ってきた白衣だった。
ゾロは引きつりながらも立ち上がり、素直にそれを羽織った。
「あ、『ロロノア先生』の方が似合うかしら?」
「・・・ふーん・・・」
嬉しそうなナミを見下ろしながら、ゾロはニヤリと笑う。
「じゃ、部屋でじっくり診察してやるか」
そう言ってナミをひょいっと抱え上げ、そのまま出て行った。
「・・・ナミは健診しねぇのか? ゾロがやんのかー」
「ナミさぁーーー・・・・ん・・・・」
「・・・ああいうのにハマっちゃったのかな、ゾロとナミ」
「それは愚問だぜ、チョッパー・・・」
2006/08/15 UP
『続・コスプレナミさん、セーラー服やナース』
6/21にリクくれた方、とりあえずナースで!!
ちなみに初代コスプレはにゃんこナミさんで【衣。】、ゾロの白衣は【装。】です。
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