―第4話―










誰にも邪魔されるのことのない、2人だけの時間。

楽園のようなこの島で過ごし、戯れ、離れることなく互いを抱く。




だが。




望んだものは、こんな状況だったのか?
求めたものは、こんな関係だったのか?



確かに、ここには2人の関係を否定するものは誰もいない。


だが同時に、2人を祝福するものも誰一人いない。




自分たちが求めたものは、ナミが願ったものは?

自分とは違い、共に暮らし愛してくれた家族のいるナミは?








 「ゾロ?」




名を呼ばれて、ゾロは思考を中断させた。
顔を上げると、ナミが身をかがめ不思議そうにのぞきこんでいた。
それからナミは膝を立てて座っているゾロの足の間にすっぽりと身をおさめて、肩越しに見上げる。



 「どうしたの? おなかいっぱいで眠くなった?」

 「…まぁ、そんなとこだ」




浜に座る2人の前では火が起こされ、先程ゾロが採った魚や植物を焼いた跡が周りに残っている。



この名も無い島に辿り着いてから十数日が経っていた。
元々サバイバル能力に優れていたらしい2人にとって、
安定した気候と自然の恵み溢れるこの島での生活は、そう厳しいものではなかった。

ナミは小枝を取って火の中に放り込み、パチパチと音を立てる様をぼんやりと眺めていた。



 「……どうした。 お前も眠くなったか?」

 「…まぁ、そんなとこ」



ゾロはちらりとナミの顔を横目で見て、同じように焚き火に視線を移した。


夜の海から届く波の音、小枝の燃える乾いた音、それから背後の森の揺れる音。
2人は無言で、その自然の奏でる音色だけを聞いていた。




 「……戻りたいか」

 「……どこに」

 「………」



顔を合わせずゾロが呟くと、ナミも同じように視線を動かさずに小さく答えた。

どこになど、聞き返さずとも答えは一つしかない。

ここでの生活がいつまでも続くものではないと、2人とも分かっていた。
この楽園で、2人老い果てるまで暮らすことなどできはしないと。





 「…戻りたいとか、そういうんじゃないんだけど」

 「……」

 「やっぱり、お父様がちょっと心配で」



そう言って寂しげに笑うナミを、ゾロは後ろから抱き締めた。
ナミは瞳をうつ伏せてゾロに体を預ける。



 「心臓の発作とか、また起こしてないかなって。 もう若くないから」

 「そうだな」

 「戻りたいのとは違うのよ」

 「分かってる」







分かっている。

だが、もう少し。




ゾロは強く目を閉じ、ナミを抱く腕に力を込める。
ナミもそれを無言で受け入れて、自分を包む腕に手を添えた。





せめて今、

せめてこの一瞬だけは。

全てを忘れて、ただの2人でいたかった。


時が止まり、世界の全てが失われても

愛する者と共に居られれば

ただそれだけで

この世に生を受けた意味を感じることができるのだ。




 「ゾロと居られれば、私は幸せよ」

 「……あぁ」




ナミはゆっくりと目を閉じる。

涙がただ一粒、零れた。



真珠のように輝くそれは、ゾロにとっては何よりも美しく大切で、愛しいものだった。





あぁ本当に。

ここが天国であれば、どんなにか。



愛しい人が離れていってしまわぬように、ゾロはさらに強く抱き締めた。





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え、なぁに?
コレで終わりよ文句ある?(喧嘩腰)(笑)

100001リク。
ゲッターはみちりんサマ。
リクは『某エステのCM(○acktと○倉)でゾロナミ』。
某エステのCM…なんですが、
公式サイトから消えてしまいましたので、ストーリー伝わるか不安です(笑)。
オチが弱いけど何だか限界!

駆け落ちってステキな響きですけど、現実は甘かないよね。
超刹那的。
このあと彼らはどうなるのでしょう。
知らん!!(えーーー)
ゾロはクールぶっておいて、実はナミさんよりよっぽど乙女です。

そんなわけで、みちりんサマに捧げますv
苦情は耳を塞いでスルーしますv(笑)

2007/05/10 UP

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