曝。







夕食前のキッチンに、上半身裸で汗をダラダラとかいたゾロが入ってくる。



 「うわ、何だその格好!フロ入れよ!」

 「うるせぇ、その前に水よこせ」

 「ほらよ」



サンジは思いっきり顔をしかめながら、水の入ったグラスを突き出す。
受け取ったゾロは一気にそれを飲み干して、はーーっと息を吐いた。



 「筋トレ馬鹿だな」

 「余計なお世話だ」

 「レディの前でそんな格好晒したら、フラれるぞ」

 「………」

 「……あー、もう文句言われたか」



返事をしなかったゾロをチラリと見て、サンジは苦笑した。



 「フロ入れって、すげぇ剣幕で言われた」

 「さすがナミさん」



くっくと笑いながら、サンジはスープを混ぜる手を止めた。




 「ナミさんは気が強いからなー。そこがまた彼女の魅力なんだけどなv」



鼻の下を伸ばしてそう言ったサンジを、ゾロはじろりと睨む。




 「……知った口聞くな」

 「あぁ?」

 「それに四六時中あんなってわけでもねぇし」



ゾロが自分で2杯目の水をグラスに注ぐのを見ながら、サンジは片眉をピクリと上げる。
その視線を無視しながら、ゾロはグラスをシンクに置いた。





 「…へーえ? 何だその『おれだけが知ってるんだぜ』みたいな口ぶりは?」

 「みたいじゃなくて事実だ」

 「何だ何だ、ノロケかよ」

 「違う」



グリグリと脇腹に拳を押し付けてくるサンジの顎を、ゾロはうざそうに片手で押しのけた。
だがサンジは負けずにニヤニヤと笑いながら言葉を続ける。



 「でもまぁ…普段とのギャップで言ったらロビンちゃんのがあると思うぜ」

 「……ほーお?」



サンジの顎から手を離し、ゾロも眉を上げる。



 「お前らはしっかり者のオネエサマなロビンちゃんしか知らないだろうけど、2人きりになったら…」

 「顔が気持ち悪ぃぞ、お前」

 「うるせぇ! とにかくイイ女なんだよロビンちゃんは…!」

 「………ナミのが上だろ」

 「……あ?」



ボソリと呟いたその言葉をサンジは聞き逃さず、ずいとゾロに詰め寄る。
ゾロとこういった話ができるのが妙に嬉しいのか、不気味な笑顔でその肩にのしかかる。



 「どう上なんだ? ん? 言ってみろ」



サンジの腕を払いのけつつ、ゾロは舌打ちしてから答えた。



 「…あの魔女っぷりに勝てるヤツぁいねぇだろ」

 「魔女なナミさんもステキだー!!
  でもな、確かにナミさんもとびきりの美女だけど……、
  ロビンちゃんのあんな姿とか見たらお前だって考え直しちまうかもな!!」



サンジは妙に勝ち誇った顔で、拳を握り締め声高らかに叫んだ。



 「あんなって何だよ」

 「てめぇなんかに見せてたまるかぁ!!」

 「見たいなんて言ってねぇだろ元々」

 「スタイルだって抜群だし、経験値もそりゃもう…」



何を思い出したのか、みっともなく鼻の下を伸ばしたサンジを見ながら、
ゾロは若干むっとして腕を組み、シンクに寄りかかる。



 「言っとくが、ナミはまだまだ成長期だからな」

 「親父かてめぇは」

 「それに経験がどうこうは、てめぇが足りねぇだけじゃねぇの?」

 「何だとコルァ!!」

 「ナミは少ない分、吸収が早ぇぜ?」



バカにしたようなゾロの口調にサンジはキレかけたが、続いたその言葉に思わず動きが止まる。



 「……ほーー……」

 「まぁ、てめぇは一生見ることは無いだろうがな」




さらに色々想像したのか再びダラけた顔になったサンジだが、
ゾロに釘を刺されてむっと唇を突き出す。




 「あぁ?分かんねぇだろそんなの!」

 「ほー、ロビンに言うぞ」

 「……や、やめとけよそれは」



途端、サンジの声が大人しくなり妙な汗をかき始めた。
ゾロはそれを意外というように見て、口端を上げて笑った。



 「何だ、お前尻に敷かれてんのか?」

 「ロビンちゃんの尻ならいくらでも敷かれたい〜」

 「アホ」

 「お前だってそうだろうが」

 「……まぁ、ナミはいいケツしてっからな」

 「ケツだけじゃねぇだろ、ん?」



サンジは懲りずにゾロの肩に腕をまわすが、ゾロは今度はそのままにしていた。



 「まぁ、な」

 「あんなイイ女とお付き合いできることを光栄に思えよクソマリモ」

 「そうだな」

 「……何だよ、えらい素直だな」



サンジは目を丸くして、ゾロの顔を覗き込む。
目が合うと、ゾロは文句を言うでもなく真面目な表情を返す。



 「いや、今しみじみと」

 「ふーん」

 「イイ女だ」

 「……何か、てめぇの口から改めてそういう単語が出ると、こっちが照れる」



サンジは言葉どおりうっすら顔を赤くして言った。
それを見てゾロは顔をひきつらせサンジからゆっくり離れた。



 「気持ち悪ぃこと言うな」

 「う、うるせぇな! まぁせいぜい愛想尽かされないよう気をつけるんだな」

 「てめぇもな」

 「おれとロビンちゃんの愛は永遠に不滅だ!」

 「あ、そう」

 「何だそのヤル気の無い返事は!」













ぎゃーぎゃーと2人の声はキッチンの外までやかましく聞こえてくる。

扉の前には顔を真っ赤にして俯いているナミと、それに寄り添うロビンの姿があった。



 「愛されてるわね、航海士さん?」

 「ロ、ロビンだって……」

 「聞いてたのは、秘密にしときましょうね」

 「うん」



ふふ、とロビンが笑うと、ナミも合わせて嬉しそうに笑った。







大事な想いは、2人の秘密。




『【褒。】の逆、男同士のバカップル対決』
「2人」の組み合わせは4人の全パターンで(だからーーココで説明するなーー)。
ナミさんとロビンちゃんの出番が少ない!!!!

10/8にリクくれた綾瀬さん、これで何とか!!

2006/11/25 UP


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