褒。










今日もサンジは、ロビンに向かって愛の言葉を囁く。



皆の前でも、堂々と。












 「剣士さんって、そういうの言ってくれないから寂しいでしょう?」




ロビンは、多分大した意味もなく口にしたのだろう。
実際ゾロは、ナミにそういった愛の言葉を送ったりはしない。
それはナミも仕方ないと諦めていたし、
言葉にはしなくても、ゾロの自分への想いは充分に感じていた。


ただ、サンジから事あるごとに甘い言葉を送られて、それに嬉しそうに微笑むロビンを見るたびに、
ナミは羨ましいような悔しいような、何か女として負けているように思えてきて、
正直、腹が立っていた。



なので、今のロビンの何気ない一言にも何やら棘があるように聞こえてしまい、
ナミはカチンときて、ひきつった笑いをロビンに返した。








 「・・・別に、言われなくても平気よ」

 「あら、そう?」

 「言われなくてもちゃんと通じてるもん」

 「ふふ、そうなの」





いつものようにロビンは微笑んでいるだけなのに、
それすらも、ナミには何だか見下されるように見えてしまった。








 「・・・第一、そう毎日毎日言われてたら、真実味ないわよね」

 「・・・・・あら、そんなことないわよ」

 「あるわよ。たまに言われるからイイんでしょ」





ふふん、とナミはロビンに笑い返す。

それを見てロビンも何かを感じたらしく、いつもの笑顔が消える。





 「言われないよりはいいでしょう」

 「・・・・男は、そんな甘いのより、やっぱり強さよ」

 「コックさんは強さもあるわ。あの『足』の力は、そうは無いわよ」

 「でも刀持たせたら、ゾロに勝てるヤツなんていないわ」

 「そうかしら?コックだもの、包丁の扱いには慣れてるわよ彼も」




ナミもロビンも、顔は笑っているが目が笑っていない。
ナミの方が微妙に分が悪く、口元が若干引きつりつつある。






 「・・・でもサンジくんって、女の人なら誰にでも優しいから、不安になったりするでしょ?」

 「そうでもないわよ。そんな部分も含めて彼を愛してるもの」

 「あ、あい・・・っ! わ、私だってゾロのこと愛してるわよ!」





平然とロビンが大胆発言をかましてくれたので、
ナミは思わず顔を赤くして、負けじと叫んだ。






 「分かってるわ、そんなムキにならなくても」

 「ムキになんかなってないわよ!」

 「ふふ」




ロビンがいつもの余裕の笑顔を取り戻す。
ナミはそれを見て、またもムカムカしてきた。






 「・・・・言っとくけど、ゾロの方が断然イイ男なんだからね!」

 「あら、そう?確かに剣士さんも素敵だけど・・・」

 「・・・・・・夜だって、すごいんだから!!」

 「それを言うならコックさんだって」

 「見た目どおり、もう、すごいんだから!!!」

 「コックさんも、あんなスリムなのに・・・・意外よ?」

 「・・・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・・」





バチバチと火花を飛ばしながら、互いに目を逸らさないナミとロビン。






















 「お前ら、愛されてるなぁ・・・・」




キッチンのテーブルを挟んでにらみ合っている2人を遠巻きに見ながら、
ウソップは溜息混じりに呟いた。




 「ロビンちゃんたら、恥ずかしいなぁもうvvvv」




などと言いながら、顔を崩して嬉しそうなサンジを見て、
ウソップはまた溜息をつく。



 「あいつら、何アホなこと言い合ってんだ・・」



ゾロの方も、呆れたように2人の様子を見ているが、
まんざらでもないようだった。






 「いつからメリー号、こんなピンクな船になっちゃったんだろうなぁ・・・」



少し村が恋しくなったウソップの独り言は、
誰の耳にも届かなかった。




「ゾロナミ・サンロビのカップル話」
10/17に拍手でリクくれた方。
女同士でバカップル対決(?)です。
あれ?これじゃやっぱダメ?

2005/11/03

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