釣。




白、白、黒、水色、ピンク、赤、白、黒・・・・・・


・・・・・・赤?


なんつー派手なパンツ履いてんだ、あいつ。








ナミに洗濯物を頼んだら、珍しく無料でやってくれた。
雨でも降るかと思ったが、相変わらず空は晴天だ。

しばらくしてから、妙に楽しそうなナミとすれ違う。


満面の笑みで、洗濯物を取り込んどけと言いやがった。
どうせなら最後までしてくれりゃいいのに。

渋々後甲板に向かうと、さらにナミから一言。



 「ついでに私の分もよろしくね」



全く、それぐらいてめぇでやれよ。
だが逆らうと洗濯代を徴収されてしまいそうだったので、
ナミの機嫌がイイうちは言うことを聞いておくのが無難だ。



ナミが置いていったらしい籠を抱え、後甲板ではためいている洗濯物を見上げる。





 「・・・・・・ヤロウ・・・」




おれが頼んだ洗濯物は、シャツ2枚。

真っ白になったそのシャツを挟むように、ナミの洗濯物がぶら下がっていた。

なんとまぁ、カラフルな。



仮にもこっちは男だ。
あいつはそのへん分かってるんだろうか。

パンツやら何やらを一緒に干すなんざ、普通少しはためらうモンじゃねぇか?
せめて端にずらすとか・・・するんじゃねぇの?
何故わざわざおれのシャツを間に挟むんだ、オイ。

女の考えることはよく分からない。



ボリボリと頭を掻いて、目の前の光景を睨みつける。
とりあえずこのまま自分の分だけ取り込んだら、確実に後でどやされる。
先程返事をしてしまったし、仕方なく籠を抱えなおしてヒラヒラと揺れている洗濯物に近づく。




とりあえず一番端にぶら下がっていたパンツに手を伸ばす。
こんなちっちぇので大丈夫なのか?とナミの姿を思い出しながら不要な心配をしつつ、
ロープにクリップで留められたそれを乱暴に引っぱる。

・・・嫌な音がした。
繊維が切れるような。
しまった。
また借金が増えてしまう。

布が弱すぎるんだ。

そう言い訳をして、今度は破れないようにひとつずつクリップを外しながら、
カラフルで小さな布の山を籠の中に築いていく。

最後に蓋をするように自分のシャツを籠に放り込んでから、後甲板を後にする。





















 「ほれナミ」



自分のシャツをバサリと取って、籠をナミに渡した。



 「どこのマジシャンだ」

 「あぁ?」

 「鳩でも出てくるのかと思っちゃった」



片手に白い布を持って、片手で籠を突き出す。

自分の姿に気付いて、ふんと鼻を鳴らした。



 「あぁそれから・・・悪ぃ、やぶれた」



そう言ってから、端に避けていたパンツをナミに顎で示した。

ナミは籠を覗き込み、ただの布切れになっている下着に気付いた。



 「あーーー!!! コレお気に入りだったのにーー!!」

 「おれに取り込ませるからこうなるんだ」

 「開き直るな!!」



ナミは籠を受け取って、それからその布切れをおれの胸に押し付ける。
条件反射でついそれを受け取ってしまった。



 「もういいわよ、あげるわソレ」

 「・・・は?」

 「もう履けないし、あんたにあげる」



にっこりと微笑んで、ナミは籠を抱えて去って行った。


呆気に取られて、何も言えずただナミの姿を見送っていた。




 「・・・・・・あ、そ」


そう呟いて、淡いグリーンのその下着をポケットに突っこんだ。

くれるっつーんなら、そりゃ有難く貰っとこうじゃねぇか。




2006/08/17 UP

『【洗。】の続き』
6/22にリクくれた方、平然と取り込ませてみました。
でもムッツリです(笑)。

この2人はまだ『ゾロとナミ』の段階です、一応。

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