助。
男の子ばりに気が強くて、ちょっと乱暴。
でも本当はすごく優しいの。
あんなに女性らしい人って、私今まで見たことも会ったこともないわ。
友達でいられることがすごく嬉しい。
まるで恋のような、この感情。
強くて優しい、私の親友。
その恋路を応援したいと思うのは、別におかしいことじゃないでしょう?
「ねぇMr.ブシドー、もう少しナミさんと仲良くできない?」
「あぁ?」
昼休みに、机に突っ伏して動かないMr.ブシドーことロロノア・ゾロに声をかけた。
熟睡しているのかと思いきや、すぐに返事をする。
彼は人の気配に敏感で、こんな風に起きてほしいときにはちゃんと反応してくれる。
「だっていつも喧嘩ばかりで・・・」
「・・・あんなもん喧嘩じゃねぇだろ」
「だって・・・」
Mr.ブシドーは大きな欠伸をしながら体を起こした。
眠そうな目をこすって、面倒くさそうに喋る。
彼は優しい人だ。
無愛想で素っ気無いけど、それでも中身を知ればその優しさに皆が気付くはず。
なかなか人を受け入れないけど、いったん仲良くなればこっちのものだ。
それなのに、ナミさんとはいつも喧嘩ばかり。
仲が悪いわけではない。
多分、女の子の中では一番仲がいいかもしれない。
ナミさんはMr.ブシドーのことが好きなのだ。
それに気付いたとき、私はすごく嬉しかった。
Mr.ブシドーの魅力にナミさんが気付いてくれて、好きになってくれたことが嬉しかった。
そしてそれを恥ずかしそうに私に相談してくれたことが、もっと嬉しかった。
応援してあげたい、協力してあげたいと思ったけど、
ナミさんに『お願いだから止めて!』と懇願されてしまった。
でもやっぱり、何かしらしてあげたいのだ。
この2人が大きな声で喧嘩しているのを見ていると、ムズムズして仕方ない。
ナミさんはあんなにあなたのことが好きなのに、
Mr.ブシドーったら、何やってるの!!??
「・・・あいつとはアレでいいんだよ」
「・・・・」
耳に小指を突っ込みながら、Mr.ブシドーはボソリと言う。
小指で耳の掃除なんかできるのかしら、と思いつつ、その表情にも何か引っかかった。
何だか、いつもの彼とは違うわ。
「もう少し優しくしてあげて」
「・・・・・・」
「ナミさんは女の子なんだから、その方が嬉しいと思うの。
Mr.ブシドーがそんな態度だからナミさんの口調もついついキツくなっちゃうのよ。
ナミさんも本当はMr.ブシドーと笑って話したいのよ?
Mr.ブシドーだって・・・・」
そこまで一息に言って、気付いた。
びっくりして次の言葉が出てこない。
Mr.ブシドーの顔が、真っ赤になってたから。
こんな顔、見たことないわ。
・・・あらら、この反応って?
「・・・Mr.ブシドー、もしかして」
「な、なんだよ」
「ナミさんのこと・・・」
「ナ、ナミが何だ!! 変なこと言い出すな!!」
「あらあらあら?」
緩みそうになる口元を両手で隠して、一歩後ずさる。
Mr.ブシドーは相変わらず赤い顔で睨んでくるが、私は正直怖くも何ともない。
「もしかして、私ったら・・・余計なお世話?」
「・・・てめぇは深読みしすぎなんだよ、ビビ!!」
そんな捨て台詞を吐いて、Mr.ブシドーは乱暴に立ち上がり教室から出て行った。
慌てたようなその背中を見送りながら、何だかこっちまで恥ずかしくなってしまった。
私ったら、何てお節介。
でも本当は、うすうす気付いていたのよ。
だってあんな風に女の子と楽しそうに話す彼は、今まで見たことなかったもの。
ねぇナミさん、きっともうすぐよ。
それでもダメだったら、私が彼の背中を蹴飛ばしてあげるから!
2006/08/14 UP
『学生パラレル、ナミ→ゾロでナミの片想い、実はゾロも・・・』
6/21にリクくれたねここさん、こんな感じじゃダメっすか?
ゾロナミだけどビビ目線。
ビビちゃんはこういう事に張り切っちゃうタイプです。
何気にこの2人は、【瞬。】の転校生ナミの2人だったりします。
別物でもイイけど。
何となくね。
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