愛を贈ろう




一年に一度の大切な日
大切な仲間に愛を贈ろう

恥ずかしくなるぐらい大袈裟に
すぐ気付かないぐらいさり気なく

家族として
友人として
恋人として

特別なこの日だからこそ
普段言えない言葉に乗せて

ありったけの愛を贈ろう





1. 親子の愛


自分に近づく気配と可愛らしい足音。
『これはチョッパーだな』と、後甲板で眠るゾロは、目を閉じたまま心の中で思う。
足音が目の前で止まったところで、ゾロは片目を開けた。

「ゾロ、誕生日おめでとう」

ニコニコと笑うチョッパーを見て、口元に笑みを浮かべた。

「あぁ。ありがとな」

その答えに嬉しそうにエッエッエッと笑ったかと思うと、チョッパーは少し困ったような表情になった。

「あのな。今年のゾロの誕生日は、皆で『愛』を贈る事になったんだ。でも俺、よく判んなくて・・・」

またくだらない事を思い付いたもんだ。
暫く島に立ち寄っていない為か、経費削減か。
後者であれば、ナミが言い出したのかもしれない。

「それ、ナミが言い出したのか?」

一応確認を取ってみる。

「ううん。ルフィだよ」

それは意外だなとゾロは思う。
船長命令は絶対だから、しょうがないかと苦笑した。

「なぁ、愛ってどうやったらあげられるんだ?」
「さぁな。そんなんは、人それぞれで感じ方が違うだろうしな」
「ゾロは?」

円らな瞳で訊ねられると、反応に困ってしまう。
適当に誤魔化すのは、何だか気が退けた。

「俺は・・・ さっきのおめでとうって言葉で充分だよ」

そう言って笑って見せたが、チョッパーは納得していない様子で、「う〜ん」と何やら考え始めた。
そして暫くしてチョッパーは口を開いた。

「ゾロはさ、もっともっと強くなるんだよな?」
「あぁ、そうだな。目指すもんは、まだ先にあるしな」
「じゃあ俺も、もっともっと勉強するぞ」

どういう意味だとゾロは片方の眉を上げた。

「それで、ゾロが凄い怪我をしても、すぐに治せるようになるんだ」

決意表明したチョッパーが、何だか頼もしく見える。
子供の成長を目の当たりにした父親のような気分で、ゾロは嬉しくなった。

「おう。お互い頑張ろうな」

ニッと笑ってポンポンと頭を叩くと、チョッパーは嬉しそうにニッコリ笑った。

「あ、折角だから、一個だけ頼み聞いてくれるか?」
「うん、いいぞ」

そう言うが早いか、ゾロはチョッパーの身体を抱え込んで膝の上に乗せると、欠伸を一つして目を閉じた。

「ちょっと寒くなって来た所だったんだ」
「俺は湯たんぽじゃないぞ」

ブツブツと文句を言っていたチョッパーだったが、やがて静かになり、その代わりに規則正しい寝息が二つ聞こえ始める。
昼食の時間を知らせに来たクルー達は、まるで親子のような光景に自然と笑みを溢した。





2. 姉弟の愛


昼食の後の小休憩を終え、そろそろトレーニングでもするかとゾロは身体を起こした。
そこにカツカツとヒールの音が迫る。
ゾロはあからさまに顔を顰めた。

「あら、お邪魔だったかしら?」
「いや・・・」

チョッパーの話によると、クルー達は『愛』をくれるらしい。
各々が考えて決めているようで、どんなものか想像出来ない。
また、他のクルーが何をするか、事前に話し合っていないようだ。

ナミと自分との関係を知っているのだからと思っても、相手がロビンとなると身構えてしまう。
ロビンの微笑みが、何か裏があるような気がして、ろくでもない事をしてくれるのではとゾロは思った。

「お誕生日おめでとう、剣士さん」
「あぁ、どうも」
「素っ気ないわね。警戒もされているようだし」

そんな事はないと言おうとして止める。
嘘を付いたら、更に何か言われるような気がしたからだ。

「一応警戒するだろ。チョッパーから、愛を贈るって話聞いてるからな」
「あら、そうなの?驚かせようと思ったのに、残念だわ」

何を贈るつもりだったんだと心の中で突っ込む。
だが、バレた所で何も変わらないか、それ以上の事をして来そうなロビンに警戒心を強めた。

「何をするつもりだ?」
「剣士さんが望むなら何でも・・・と言いたい所だけれど、あの子が悲しむ姿は見たくないのよ」

ゾロはロビンの瞳をじっと見つめ、話の続きを促す。

「剣士さんがそんな事を望んでいるとは思えないけれど、もし貴方が望むなら私は断るわ」
「そんなもん、俺だってお断りだ」

頼まれたって絶対乗らねぇよとゾロは思う。
ゾロの答えにロビンは微笑んだ。

「安心したわ。私にとって航海士さんは友人であり、妹のような存在なのよ。だから、泣いている所は見たくないの」

自分は勿論の事、この船に見たいと言う人間などいないだろう。
そんな事は、言われなくても誰だって判ってる。
それを言うのは、警告という事か・・・

「だからもし、あの子を泣かすような事があれば、私は貴方を許さないわ」

そう言ってロビンは、能力でゾロの腰あたりに腕を生やし、キンっと刀を鳴らした。
本気の警告だなと、ゾロは眉間に皺を寄せる。

「肝に銘じとく」

ロビンは満足したように笑うと、その場を立ち去った。

「そうそう、プレゼントだけれど。『見張りを交代』で良いかしら?」

ロビンは振り返って、今度は正真正銘の裏のある笑顔を向ける。
ゾロは態とらしくニヤリと笑った。

「そういう意味の『なかせる』はOKなんだな」

フフッと笑って去って行くロビンが、「ほどほどにね」と言ったのを耳にしてゾロは苦笑した。





3. 幼馴染の愛


トレーニングを始めたゾロの元に、ロビンと入れ違うようにしてウソップがやって来る。
『今度はウソップか』と思いながら、少しだけ期待してトレーニングを続けた。

「おう、ゾロ。今日はお前の誕生日だからな、俺がとっておきの・・・」
「愛をくれるんだろ?」
「何だ、知ってたのか」

ウソップは困ったように笑った。

「で、お前は何してくれんだ?」
「いや・・・特に考えてた訳じゃ・・・」

ウソップは嘘つきの割に嘘が下手だ。
どうやら、ビックリさせるというのがウソップのプレゼントだったようだと判り、ゾロは悪い事したなと苦笑した。
目を泳がせて、ふと目に留まったバーベルを指差してウソップは言う。

「そうだなぁ。そのバーベル弄るぐらいだったら、いつでもやってやるぞ」

ゾロはバーベルを見て眉を顰める。
弄るって、どんな風にするつもりだ。

「重み足らなくなったら重くしてやるし。リストバンド型の重りってのも良いんじゃねぇか?」

トレーニングを繰り返すうちに、その重さで満足出来なくなるのは確かだ。
ウソップの申し出はかなり有難い。

「あぁ、じゃあ今度頼む」

ゾロがニッと笑うと、ウソップも安心したように笑った。

「何なら、刀改造しても良いんだぞ?」
「そしたら、お前で試し斬りだな」
「いや、勘弁して下さい」

ハハハと笑い、ゾロはトレーニングを再開した。

「なぁ、ゾロ」
「あぁ?」
「お前、刀の扱いは巧いが、ちょっと乱暴じゃねぇか?」

どういう事だよという視線を向ける。

「ココだよ」

ウソップが指していたのは、鞘の先の部分。
よく見ると小さなキズが沢山付いていた。

「特にコレ。放っておくとヤバそうだぞ」

無数のキズの中でも比較的大きなキズ。
確かにそのままにするのは良くなさそうだ。
「触って良いか」と断りを入れるあたりがウソップらしい。
ウソップはキズを暫く見つめると、鞄から道具を取り出し、鮮やかな手付きで修復して行く。

「中身だけじゃなくてよ、外身も労わってやれよな」
「そうだな」

ウソップの言葉が、ストンと心の中に落ちて行った。

「この刀、使って長いだろ?キズが一番多い」
「ん?あぁ、ガキの頃から使ってる」

親友の形見だとは敢えて言わなかった。

「だったら、尚更大事にしてやれよ。幼馴染だろ?」

その言葉にドキリとする。
ウソップは『付き合いが長い』という意味で言っていても、ゾロには身に沁みた。
バーベルを置き、修復し終わった白い鞘を見つめて小さく呟く。

「あいつに怒られそうだな」
「何か言ったか?」
「いや、幼馴染は大切にってな」

空に向かってそう話し掛けると、ゾロは刀を日にかざして微笑んだ。





4. ライバルの愛


トレーニングを終え、シャワーを浴びてすっきりしたゾロは、風呂上りには酒だなとばかりにキッチンに向かう。
そう思っても、大抵サンジに阻止されて水を飲む事になるのだが。

キッチンの扉を開けた途端、サンジの表情が曇る。
いつもにこやかに迎えられている訳ではないが、ここまで表情が変わるのは珍しい。
その原因が、誕生日の『愛を贈る』だという事に、ゾロはすぐ気付いた。

本当ならばパーティー用の料理を作り、高い酒を出すのがサンジからのプレゼント。
しかし今回は、船長命令で愛を贈らなければならない。
これは、何か物を渡すよりも断然難しい。
自分だったら迷いに迷って、結局何も出来ないのがオチだろう。
どうせ島に着いたらルフィがパーティーするぞと言い出すので、今何かする必要はないのにとゾロは思った。

ゾロは何も言わずサンジの横を通り過ぎ、蛇口を捻る。
何か言いたげに口を動かしたサンジの姿が、チラリを目に入った。

「何だよ。水ぐらい好きに飲ませろよ」
「あ、いや・・・」
「何か、言いたい事でもあんのか?」

口篭るサンジには微妙なプレッシャー。
普段喧嘩腰な態度を取るサンジが動揺しているのを見るのは、ちょっと面白かった。
何も知らない振りをしてじっと見つめれば、サンジは照れているような、悔しがっているような、何とも言い難い表情になる。
これはますます面白い。
ゾロはニヤリと笑った。

「どうしたよ。愛、くれんじゃないのか?」
「てめぇ、知ってて態と・・・」

顔を赤くしたサンジを見て笑う。

「愛なんて、てめぇの得意分野だろ」
「俺の愛は女性限定だ。誰がこんなクソマリモなんかにやるか!」

今日のサンジの台詞は、聞いていてもムカつかない。
言葉の裏側にある気持ちが、バレバレだからかもしれないなとゾロは思った。

「船長命令なんだろ?」
「うぐっ・・・」

サンジは言葉に詰まった。
くだらない事でも、船長命令だからとこいつなりに色々考えたのだろう。
それが表情から見て取れた。
ゾロにはそれで充分だった。

「お前の面白い顔見れたから、それで勘弁してやるよ」

ゾロはフッと笑みを溢し、「じゃあな」と扉へ歩き出した。

「おい、何か食べたいもんあるか?」

出て行こうとするゾロを呼び止める。
ゾロが振り返ると、「ただ参考にするだけだ」と慌てたように付け足した。
パーティーをしなくても、主賓の食べたい物を作る。
それはコックとしてのプライドか。
サンジの作る物は何でも美味いから、どんな物でも構わないのだが、ゾロは敢えて口にする。

「そうだなぁ、強いて言うなら和食か。醤油の風味もたまには良いだろ」

サンジの返事を聞かずにキッチンを出る。
これで今日の夕飯は、和食に決まりだ。
ゾロは小さく「ありがとよ」と呟いた。





5. 相棒の愛


「ゾーロー!!」

元気一杯の声に顔を向けると、これまた元気一杯満面の笑みのルフィの顔が、目前に迫って来ていた。
どうやら定位置であるメリーの上から飛んで来たらしい。

「うおっ」

半ば攻撃されたような形で、ルフィ共々甲板に転がった。

「ってぇー。何考えてんだ、てめぇは!」
「ははは、悪ぃ悪ぃ」

全く悪いと思っていない表情にゾロは呆れる。
『折角、風呂に入ってさっぱりしたのに』
そう思ったが、何となく許せてしまうのは、相手がルフィだからだろう。

「ゾロ、今日誕生日だな」
「あぁ、そうだな」

次はルフィ。
こいつは何をしてくれるのだろうか。
言いだしっぺなのだから、何か考えがあるのかとも思うが、ルフィにそんな常識が通用するとは思えなかった。

「皆から、『愛』貰ったか?」
「まぁ・・・ 貰ったと言えば貰ったか」
「そうか。良かったなぁ」

しししと嬉しそうに笑う。
ゾロは何だか照れ臭くなってしまった。

「じゃあ、俺からもプレゼントだ」

そう言って、唇を尖らせた顔を近づけて来る。

「おい、何の冗談だ」

ルフィの顔を手で抑え、それ以上の接近を食い止める。
他の者と違い、ルフィはストレートに来るだろうと思ってはいたが、流石にコレはストレート過ぎるので勘弁して貰いたい。

「なんだよぉ。ナミには、ちゃんと許可取ってあるぞ?」

心の中に、楽しそうに笑うナミの姿が思い浮かぶ。
こんなもん、許可するな。

「冗談じゃねぇ」

ぐいぐいと迫るルフィの顔を、思い切り叩いた。

「ゾロは冗談通じねぇなぁ」

一瞬だけつまらなそうな顔をしたが、悪戯が成功したとばかりにルフィは笑った。
ゾロはちょっと悔しそうにチッと舌打ちして頭を掻くと、欠伸を一つした。

「寝るのか?」
「あぁ」

胡坐を掻きマストに寄り掛かろうとすると、ルフィが咄嗟にゾロの腕を引いた。
怪訝そうに見つめ返すと、ルフィはニッと笑う。

「俺も寝るから、背中貸してやる」

くるりと背を向けて、目の前にドカリと座り込んだ。
その背中が、早くしろと催促しているように見える。
これがルフィの思い付いた『愛』かもしれない。
ゾロはフッと笑みを溢し、背中を預けた。

いつもと違い、背中から伝わる温もりが心地好い。
しかし、これでは眠れそうにないなと心の中で思いながら瞳を閉じた。

「なぁ、ゾロ」
「ん〜?」
「いつでも背中貸してやるからな」
「あぁ」

お互い間延びした声を出す。
こういうのもたまには良いもんだ。

「だから、安心して前見てろ」
「あ?」

今までとは違う真剣な声に、ゾロは驚き瞳を開いた。

「俺も前だけ見てるから」

『お前の背中は俺が守る』と背中の温もりが伝える。

「あぁ」

ゾロは口の端を上げると、少しだけ背中に体重を掛けて再び瞳を閉じた。





6. 恋人の愛


「じゃあ、それぞれ担当の物を忘れずに買ってくる事。良いわね」
「おう、うっひょ〜!」

勢い良く走り出したルフィを見て、一同は額に手を当てた。


ゾロの誕生日の二日後、島に着いたそばからルフィが、パーティーするぞと言い出した。
予想していた事だったし、同じ事を考えていたので誰も文句はない。
ナミが買い物の担当を割り振り、主賓であるゾロを船番にして、皆いそいそと街へ出かけて行った。

「さて、と」

ゾロは大きな欠伸をして後甲板へと向かう。
その途中、船から皆を見送るナミの姿が目に入った。

「お前は行かねぇのか?」
「蜜柑の世話してからね」
「・・・そうか」

鼻歌交じりに倉庫へ入って行くナミの後ろ姿をじっと見つめ、ゾロは小さく溜息を付いた。


船長命令で『愛』を贈られる事になった己の誕生日。
決まった形がある訳ではないので、『愛』と呼べるのか判らないが、ゾロは皆から『愛』を貰ったと思っている。
但し、ナミ以外の皆から。

ナミからは、「誕生日おめでとう」と言われたが、その他に『愛』と呼べるような言葉も、ルフィが許可されたような行為もされていなかった。
ナミがただの仲間なら、こんなもんだろと流せるのかもしれない。
しかし、ナミは自分の恋人だ。
大掛かりなものを望みはしないが、何かしら期待するのが普通ではないだろうか。

期待を裏切られたゾロは、チッと舌打ちして『考えるのは止めだ』と座り込んで瞳を閉じた。


うとうとし始めたゾロの耳に、ハサミの音とナミの鼻歌が聞こえて来る。
心地好いリズムとメロディーが、更に眠りを誘った。

「ゾーロー」

穏やかに響くナミの声は、夢の中にいるように感じられた。

「あぁ?」
「今日は良い天気ね」
「あぁ、そうだな」
「風もなくて、お日様が気持ち好いでしょ」
「あぁ」

ナミの言っている事に対して、感覚だけで答える。
ゾロの意識はどこか遠い所へ行っていた。

「ねぇ、蜜柑食べる?」
「あぁ」
「凄い甘いのと甘酸っぱいの、どっちが良い?」
「あぁ」

噛み合わない答えにナミは手を止める。
ゾロに目を向け夢うつつなのを見て、ナミはクスリと笑った。

「ゾロは蜜柑好き?」
「あぁ」
「・・・私の事、好き?」
「あぁ」
「・・・愛してる?」
「あぁ」
「・・・・・じゃあ、愛してるって言って?」
「あぁ・・・ あぁ!?」

ゾロは一気に覚醒し、ハッとして目を開けた。
そして、いつの間にか目の前に迫っていたナミの顔に更に驚く。

「そんなに隙だらけでいいの?大剣豪サマ」

クスクスと笑われ、ゾロは眉を顰めて頭を掻いた。

「そんな不機嫌な顔してないで、言ってよ」
「何の話だ?」
「愛してるって言ってくれるんでしょ?」
「あぁ?いつそんな事言ったよ?」
「さっき。私が愛してるって言ってってお願いしたら、あぁって答えたじゃない」

確かに言った・・・・・気がする。
質問の内容もよく判らずに、ナミの訊い掛けに何度も「あぁ」と。

ナミに視線を送れば、期待に満ちた瞳を返される。

『こいつ、寝てるのを判ってて態とやりやがった』

今更、寝てて憶えていないというのは通用しないだろう。
ゾロは諦めたように肩を落とした。

「判ったよ。・・・愛してる。コレで良いんだろ?」
「えぇー。全然愛が篭ってなーい!」

ナミはつまらなそうにぶうぶうと文句を言う。
何故こんなに文句を言われなければならないんだと、ゾロは思った。

『愛してる』なんて、頼まれて言うものではない。
せめて今ココが、ベッドの中なら話は違うのだろうが。
それに、誕生日だったのだから、逆に自分が『愛してる』と言われても良いのではないか。

ゾロは、「もう良いわ」と作業に戻ろうとするナミの腕を掴んだ。

「何?」
「・・・愛してると言ってくれ」

冗談ではない本気の時の表情と声。

『コレぐらい願っても、バチは当たらないだろ?』

ナミは一瞬きょとんとしたが、すぐにフッと笑みを溢すと、ゾロの目の前に迫り艶のある声を響かせた。

「愛してるわ、ゾロ」

思わずゾロは唾を飲み込んだ。

コレはヤバイ。
その顔と声は反則だろ。
今はまだ昼間だとか、ココは後甲板だとか、そんな事は全て吹っ飛びそうになる。

ゾロはナミから視線を逸らした。
その様子にナミはケラケラと笑い出す。

「自分で頼んでおいて、何照れてんのよ」
「煩ぇ」

ゾロは完全にナミに背を向けてしまった。
後ろからでも判るぐらい赤くなっているゾロを、ナミは愛おしく思う。

「ゾーロ!」

照れてる背中に飛びついて、赤く染まった頬に口付けを贈る。

「大好きよ」

いつものナミの明るい声に、「あぁ」と答える。
二日遅れのプレゼントに、ゾロは照れたように笑った。





ありがとうを返そう

愛をくれた仲間達に
いつも隣で笑顔をくれる最愛の人に

愛の気持ちを込めて
ありがとうを返そう



SHAMサマ(Delete The Remembrance)の、'06ゾロ誕DLF作品。

ゾロ、ゾロが……超愛されてるよ……!!!
ロビンちゃんが冗談かましてるのが凄い好き。……素かな彼女は。
あとやっぱりナミさんv
ゾロの素っ気無い返事に怒らないあたりが、ゾロ誕ってことで心広くなってるナミさんですかね(笑)
愛だねーーv
てかあのゾロのセリフはヤバイ!!
思わずPCの前でのけぞっちゃった!

贈った以上の愛を返してくれるよね、ゾロならv


2006/11/13


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