贈。









 「悪いなゾロ、プレゼント用意できなくて」




夕食の席で、ウソップは申し訳なさそうにゾロに言った。




 「いいよ」

 「こう小せぇ島ばっかりじゃなぁー、メシを豪華にできただけまぁマシか」

 「おれはこれで充分だ」

 「・・・ま、てめぇは酒さえありゃ文句無ぇんだろ」




料理に満足そうなゾロの言葉に、
サンジは微妙に嬉しそうな表情で悪態をつく。



 「否定はしねぇよ」

 「ねぇゾロ、私は一応用意してるの」

 「えーーーナミ、ずりぃぞ!!一人だけ抜け駆けかよー!」



ブーブーと抗議するルフィを、ナミはギロリと睨む。



 「うるさいわね!いいでしょ!早くから準備しなかったあんたらが悪いの!」

 「へー、愛する旦那のためなら1ヶ月前から準備するってか」



ボソリと呟くウソップを無視して、
ナミはゾロに向き直る。






 「何だ、酒か?」

 「違うわよ、バカ」

 「何だ」

 「この中に隠したから」




そう言ってナミは、自分の唇に指で触れる。








 「探して」









ゾロはそれを見てニヤリと笑い、
隣に座るナミをグイと引き寄せた。








 「あら・・・・」

 「おいお前ら、何する気だよ・・」

 「うわーナミさん!!!まさか!!!!!」






そのまさか、で。
ゾロはナミの唇に食らいついた。
一度触れてすぐ離れたあと、今度は深く、それこそ食ってしまうかというほど。
ナミはゾロの膝の上に移動し、
ゾロもナミを抱えあげるようにして抱きしめる。









 「・・・ん?」




ゾロが片眉をあげて、目を開いた。
どうやら何か見つけたらしい。
が、それでもしばらく2人は離れなかった。








 「てめぇ今絶対見つけたろ!!じゃあ離れろコラ!!」

 「わーわーわーわー」

 「少しは人目を憚れよ・・・」

 「若いっていいわね・・・」

 「あっはっは!!お前ら長すぎーー!!」





周りがそれぞれの反応をしても2人は無視し続け、
いい加減叫び疲れたサンジがはーはーと息を切らし始めた頃、
ようやくナミが離れ、最後にゾロの唇をペロリと舐めて、椅子に戻った。













 「・・・・何だコレ?」

 「プレゼント」




ゾロは口の中から、
小さな石をぺっと手の中に出した。




 「お守り。ガーネットっていう石よ」

 「・・・・こういうのは、てめぇが持ってたほうがいいんじゃねぇ?」




濃いオレンジにも赤にも見える、手の上の小さなその石を見つめながら、ゾロは呟いた。




 「何でよ」

 「金になるんじゃねぇの」

 「失礼ね、意味無いじゃないそれじゃ」

 「お守りって、意味あんのかよ」

 「あるわよ」

 「何」

 「言葉どおり、戦いであんたを護ってくれるわ」



ナミはゾロをまっすぐに見つめて、言った。
ゾロは手の上でコロコロと石を転がしながら、ふーんと呟いた。





 「でもおれは、お守りだとかそんなのには頼んねぇぞ」

 「知ってるわ」

 「じゃあ何でこんなの寄越す」

 「私は信じるから」

 「・・・・・」

 「私があんたにあげるこの石は、あんたを護ってくれるって信じてるから」

 「・・・・・」

 「貰ってくれる?」

 「・・・・あぁ、ありがとう」




 「誕生日おめでとう、ゾロ」

 「あぁ」


















 「念のため聞くがお前ら、人前だっての忘れてないよな?」

 「あぁ、お前らいたのか」

 「ほー・・、わざわざてめぇなんぞのためにパーティ開いてやってんのに、いい度胸じゃねぇか、なぁ?」

 「だなー」

 「よーし、おれらもひとつ、プレゼントしようじゃないか」

 「・・・・何を」

 「そりゃもちろん、ナミさんとお揃いの・・・・濃厚なベーゼをvv」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 「かかれ!野郎ども!ロビンちゃんはダメだよ!」

 「「「おーーーー!!」」」

 「あら残念」

 「待て待て待て待てちょっと待ておいこらマジで!!!!」

 「あっはっはーー!!!いいわよみんなー!ゾロも観念しなさーい!」

 「てめぇ!他人事だと思いやがって!!」







皆に押し倒されてもみくちゃになっているゾロを、笑って見つめながら、
ナミはゾロが握り締めている石を思う。



愛する人を守る、その石を。

永遠の愛を示す、その石を。



「ナミからゾロに甘いべろちゅーvプレゼント(微エロ)」
10/4に拍手でリクくれた方。
あれ、リクは微エロだったね(笑)。
私にはムリでした・・・。
でもキスは贈りました・・・。
ついでに皆も贈りました・・。
と、とりあえずこんな感じで・・。

戦いの傷から護ってくれるのと、
あと、変わらぬ愛を表すとか何とか。
あといろいろ意味があるらしいよ?

2005/10/24

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