繋。
「何してんだ」
「あ、Mr.ブシドー。お風呂どうでした?」
「あぁ、良かったぜ」
「でしょう?あ、ここ、涼しいですよ」
「へぇ」
ゾロは、ベランダから庭を見下ろしているビビの隣に立った。
「お、いいなここ」
風呂上りにはちょうどの心地良い風が、そこでは感じられた。
ビビの長いワンピースも風を包んでなびいている。
「えぇ、お風呂上りに涼むにはぴったりよ。・・・・Mr.ブシドー、包帯は?」
「いらねぇよもう」
「でも、そういえば足の傷も縫い直してもらったんでしょう?」
「あぁ・・・、もう治ったっつーのにわざわざ・・」
ゾロは思い出したのか、顔をしかめた。
「本当にあのときは・・・何て無茶をする人だと」
ビビはゾロの足にチラリと視線を向けつつ、苦笑する。
「今だから笑って言えるけど」
「でもお前もそのつもりだったんだろ」
「え?えぇ、まぁ・・・・」
ゾロはビビを呆れたように見下ろす。
あの時確かにこの王女は、自分と同じ決意をしたのだ。
「人のこと言えねぇだろ。どんな姫様だよ、全く」
「・・・ふふ」
「まぁ、そういうのは嫌いじゃねぇぜ」
「・・・・・・」
ゾロは眼下の眺めを見下ろしながら言う。
「お前みたいなのがお姫様ってんなら、この国も安泰だろ」
「・・・・ありがとう」
そうして2人はしばらく風にあたりながら、
黙ってベランダに並んで立ち、外を見ていた。
「・・・・・Mr.ブシドー」
「ん」
「私、Mr.ブシドーのこと、好きです」
「・・・・・・」
ビビはゾロをまっすぐに見て言った。
「幼馴染に似てるからかもしれないけど・・、でも、本当に好き」
「・・・・どうも」
ゾロは頭をガシガシ掻きながら、ビビをまっすぐ見返して答えた。
「Mr.ブシドーにはナミさんがいるって、知ってるんだけど」
「・・・知ってたのか」
「気づくわよ、恋する女の勘は凄いのよ?」
「・・・なるほど」
笑ってそう言ったビビに、ゾロは苦笑する。
ビビはまた視線を眼下に戻した。
ゾロもつられて見下ろす。
「・・・この国に平和が戻って、これからきっと忙しくなるだろうけど、
でもやっと、自分のこういう気持ちを言葉にできるようになった」
「・・・・・」
「好きです、Mr.ブシドー」
「・・・・あぁ」
「ありがとう・・・」
ビビは腕をあげてゴシゴシと目をこすった。
「・・・・ここに、残るのか」
「・・・・まだ、迷ってる。でも・・・」
「・・・・・」
「誰かを好きになったり、大切と思ったり。それが国でも人でも同じなのよね。
そんな気持ちをみんなが持てれば、みんな幸せになるわ」
「そうだな」
「私は大好きなこの国で、大好きな国の人たちと、一緒に頑張る」
「・・・あぁ」
「・・・だから、Mr.ブシドー、・・・頑張れって、言ってくれる?」
「・・・・・ビビ」
「お願い」
ビビは少し赤くした目でゾロを見て、にっこり笑ってそう言った。
「・・・頑張れよ、お前はこの国の王女だ」
ゾロはビビを見返して、はっきりと言った。
「王女として生まれ、王女として育ち、王女として生きる。
お前にふさわしい、お前にしかできない生き方だ」
「・・・・・・・・はい」
まっすぐにゾロの目を見つめていたビビの目が、潤んでくる。
「王女が実は仲間ってのも、なかなか面白い。
離れても、それは変わらねぇ」
ゾロはビビを遠慮がちに抱き寄せた。
ビビも抵抗はせず、そのまま素直に体重を預ける。
その肩が小さく震え出す。
「・・・・・ここに残りたい、でも、皆とも行きたい・・・」
「・・・・」
ビビの涙が、ゾロの服を濡らす。
「名前を、呼んで。私の名前を」
「・・・・お前は、ネフェルタリ・ビビ。アラバスタ王国王女。
そして、麦わらの一味の、仲間だ」
「・・・・・・・・はい」
「考えて、そして決めろ」
「・・・はい」
「ビビ、来るかな」
「さあな」
走るカルガモ部隊の上で呟いたナミに、ゾロは素っ気無く返事をする。
「何よ冷たいわね。あんたビビの事気に入ってたでしょ?」
「・・・・・まぁ、な」
「・・・・・一緒に行きたいでしょ?」
「力づくで連れてってもいいんだけどな」
「え」
「冗談だ」
「・・あ、そう・・」
真っ直ぐ前を見て超カルガモを走らせるゾロの顔は、まんざら冗談という風ではなかった。
「どっちにしろ、あいつ次第だ」
「・・・来るかな」
「さぁな」
「ゾロ、あの子と何か話してないの?」
「・・・・さぁな」
「話したんでしょー?こっそり王女と剣士が逢引しちゃって」
「・・・・お前、見てたのか?」
「・・やだ、本当に!?さいてーー!!!王女に手ぇ出すなんてこの不届き者!」
「妙な誤解すんな!!!」
「バカゾロ!」
「だから違うっつってんだろ!!」
ナミ誕リク。
「ゾロ・ナミ・ビビorロビンの三角関係、最後はゾロナミ」。
全然三角関係になってませんゴメンナサイ。
苦しい・・・ムリがある・・・。
ビビに関しちゃ、というかアラバスタ編に関しちゃ、入り込む余地が見つからないんです。。。。
アラバスタ編読み返したんですが、どうあがいてもルビビだしなぁ・・・。
しかも泣いちゃって大変でした。
尾田氏、最高。
三角関係つーか・・・、ビビ→ゾロ→ナミですな。
微妙にビビ→←ゾロ→←ナミ。
あれーー。
ゾロは基本的に無自覚天然タラシの方向で。
オチが浮かびませんでした(告白)。
ゾロが足の傷を縫い直したなんて事実は知りません(笑)。
7月18日に拍手でリクくれた方、
これじゃダメですか。。。
2005/07/24
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