妬。
「ひぃーーーーーー!!!!」
「あ、ちょっとごめんゾロ」
ミカン畑で、とりあえずいいムードになっていたゾロの隣からナミは立ち上がった。
「ナ、ナミー!!助けてーー!!」
ナミが階段を下りると、チョッパーが泣きながら飛びついてきた。
「ルフィがおれに噛み付くんだーーー!!!」
「ちょっとルフィ!!チョッパーびっくりしてんじゃないの!!」
「だって角が美味そうなんだ!!」
「角を食うな!!!」
ナミの拳骨を食らって、ルフィは残念そうにメリーの上に戻った。
チョッパーの角をじっとりと見つめつつ。
「あ、ありがとな!ナミ!」
「いーえ。・・・ほんと、あいつの雑食っぷりには呆れるわね。角よ?角。」
「おれの角って、そんな美味そうなのかな・・?」
「・・・・・妖しげなクスリにはなりそうね・・」
「ひぃーーーー!!!」
ナミの目がチャリーーンとベリーに光ったのを見逃さなかったチョッパーは、
抱きかかえられたナミの腕から飛び降りる。
「冗談よ冗談、ごめんね」
「い、嫌な冗談やめろよ!」
「おやつだぞーーー!!!!!」
キッチンからサンジの怒鳴り声が聞こえた。
「おやつだって。行きましょチョッパー」
「おう!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そのままチョッパーと手を繋いで、ナミはキッチンへと向かって行った。
すっかり忘れられているゾロは、一人ミカン畑で眉間に皺を寄せながら不貞腐れていた。
ナミたちがキッチンに着いてからしばらくして、ゾロもやって来た。
「・・・・おれのは」
「あ、ゾロごめん!呼ぶの忘れてた」
「・・・・おれのは」
「チョッパーはルフィに盗られちゃったから、半分コしてあげて?」
本日のおやつ、白桃のタルト。
ゾロの分の皿から、ナミがそれを半分取り分けようとしていた。
「・・・・いやだ」
「え?」
むすっとした顔で言ったゾロの言葉を、一瞬ナミは理解できなかった。
「・・・あ、あの、いいよ!いいんだ!おれ大丈夫だから!」
「ちょっと、いつもならチョッパーにあげてるじゃない。何意地悪言ってんのよ!」
「ナ、ナミ!いいから!」
何故かナミが怒っているのを、チョッパーが必死になだめている。
「・・・・・冗談だ、やるよ」
「ゾロ、ゾロ!本当におれいいんだぞ!!」
「いいっつってんだろチョッパー、ほら」
「あ、・・・ありがとう!」
結局ゾロは、いつものように半分以上を切り分けてチョッパーにあげた。
おやつの後、昼寝を済ませたゾロがキッチンで酒瓶を奪って出てくると、
甲板ではナミがチョッパーを抱っこした状態で、座って本を読んでいた。
「・・・・・・・・・・・」
ゾロは階段を下りて2人の前に立つ。
「あらゾロ、起きたの?」
「・・・・・・・・・・・」
「え?」
ナミがゾロに気づいて顔を上げた瞬間、
ゾロはナミの膝の上で本を読んでいたチョッパーの首根っこを引っつかんで、
後ろにポーーーーーンと放り投げた。
「・・・・・・え!?あんたちょっと、何してんのよ!!」
突然の乱暴な行為に、ナミは声を上げてゾロを睨みつけた。
一方放り投げられたチョッパーは、?マークを飛ばしながら甲板の上にべしゃりと落ちた。
軽く放られただけなので、ちゃんと着地も(一応)できたから別に痛いところもない。
でも、ゾロにいきなり投げられるなんて、とチョッパーは困惑していた。
「・・・・・・・・・・・」
「ゾロ!!何でチョッパーにあんなことするの!!」
キャンキャン抗議しながら睨みあげてくるナミから、ゾロは不機嫌そうに目をそむけた。
「・・・・お前が、」
「私が何よ、ていうか私のせいなら何でチョッパーに乱暴する必要があるの!」
「・・・・・・・・・・うるせぇな」
ゾロがそう悪態をついたとき、足に何かがしがみついた。
「・・・・・・チョッパー」
「チョッパー大丈夫?怪我しなかった?ごめんねこの寝ぼすけが乱暴して」
「ゾロ、ゾロ、おれ、何かした?ゾロ怒らせるようなことしたか?だったら謝るよ!」
「・・・・・・・・・・・」
心配するナミに言葉も返さず、チョッパーは一心にゾロの足にしがみつき、
目をウルウルさせて見上げていた。
「・・・・・・・・お前は何もしてねぇよ。おれの方が、悪かった」
ゾロは腰を落とし、チョッパーの頭を撫でる。
何故かゾロの方がヘコんだ表情をして、しゃがみこんで項垂れている。
「ほんと、・・・・・・悪かった・・」
「べ、べ、別に!平気だぞ!!」
ゾロはチョッパーを抱え上げ、肩に乗せた。
大好きなゾロに肩車してもらって、泣きそうだったチョッパーはあっという間に笑顔になった。
そのままチョッパーを乗せたまま、ゾロは向きを変え階段を上り、後甲板へと消えた。
「・・・・・・ちょっとーーー!!無視!?」
残されたナミは、状況が分からず一人叫んでいた。
ナミ誕リク。
「ナミと仲良しチョパに意地悪したくなるゾロ」。
意地悪というか・・イジメ?何、イジメ?(笑)
7月17日に拍手でリクくれた瀬袂サマ。
こんな感じに・・・・・うん。。。。
や、あの、ゾロはチョッパーが大好きです。
親子ですからこの3人。うん。
チョパにヤキモチやいた挙句、意地悪までしてゾロはヘコんでます。
2005/07/23
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