飢。
「愛されたい・・・・」
夕食後のキッチンで、ナミが溜息とともに呟いた。
「・・・お前、充分愛されてんじゃねぇの?」
「足りないのよ、ウソップ」
「何が足りないっていうんだよ、何が」
「何てゆーか、まぁ何でもいいんだけどね」
「訳分からん」
「うん、私も分かんない」
そしてまた「愛されたい・・・・」と呟くナミを、ウソップは呆れて見守った。
「愛してますナミさん!!」
「っっうぉ!サンジ!お前急に叫ぶなよ!!」
見ていたサンジが突然大声で叫んだ。
ウソップは驚いて飲んでいたお茶を噴出し、ナミは目を見開いて固まった。
「・・・・・・・・あー、まぁ、そんな感じかなぁ?」
ナミが微笑む。
それを見たウソップは何かを閃いたように手を打った。
「なるほど、コレだな?」
「え?」
「愛してるぞ!ナミ!!」
「てめぇ!長っ鼻の分際でナミさんに何言ってんだ!!!」
突然の告白に、サンジが掴みかかって反論した。
「ナミが愛されたいって言うから言葉で表現しただけだろー!蹴るなよ!!」
「そうそう」
救いを求めるウソップと、伺うように振り返ったサンジに、ナミは微笑んで頷いてみせた。
「それならおれにお任せを!!愛してますナミさーーーん!!!!!」
サンジはナミに飛びつかんばかりに寄っていき、その手をとって叫んだ。
「愛してるぞナミ!」
ウソップが再び言う。
それにノって、他のクルーたちも参加してきた。
「ああああ愛してるぞナミ!」
「おれも愛してるぞーーーーー!!!!」
チョッパーは照れながらもナミを真っ直ぐ見て言い、
ルフィは訳分からずもとりあえずノっている。
「愛してるわ航海士さん」
ロビンはご丁寧に、サンジのようにナミの手を両手で包みながら言った。
「ふふ、こんな感じ」
皆から愛の言葉を頂いて、ナミはご満悦の様子で微笑んだ。
「愛してるぜ、ナミ」
しかし、ゾロがニヤニヤと意地悪く笑いながら言うと、
「・・・・・・!!!!」
バキィ!!!!!!!!!!!
「何でおれだけ殴るんだ!!!!」
突然グーで殴られたゾロは、頭を押さえながら抗議する。
「あんたが不真面目に言うからよ!!」
さっきまで満足げに笑っていたナミが、今では不機嫌丸出しの顔で仁王立ちしている。
「他のヤツらもそうだろ!?」
「あんたは真面目に言わなきゃダメ!!!!」
「何でだよ!!」
「何ででも!」
「わ!わ!喧嘩するなよ2人ともー!」
「案ずるなチョッパー、あれは痴話喧嘩だ。退散するぞ野郎ども!」
「おーー!!!」
「ナミさーん!おれは真面目に愛してまーす!」
・・・・・?
いや、ね、ゾロにはキチンと「愛してる」って言ってほしかったんだよ。うん。
本当はナミ誕用の拍手ネタでした。
なので短い。
2005/06/11
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