届。

















ルフィ、あんたからは海の匂いがする




























お金を集めるために、奴らの下を出て、稼いでから帰ってくる。
私が集めた情報と、奴らが持ってきた情報で、私は海図を描く。
狭い部屋に閉じ込められて、ただひたすらに描いていた。
それでも私には、それは救いの行為だった。
そこには唯一の希望があったのだ。



だけど


















結局私は何だったのか。

何をしていたのか。

村を救うために、
皆を救うために、
奴らの下で海図を描く。
海賊から泥棒をする。
そうしてお金を貯めて、村を買い戻す。

そのためだけに
それを目標にしていたからこそ、私はやっていけたのに。
あんな状況ですら希望を持てたのに。

たった一度の気持ちの揺れで
村の存在も、皆の命も、全てが無駄になってしまった。

私は一体、
何を。





海に出ているときは、仮の自由だった。
それでも、波や風や雲は私に優しかった。
海は私を受け入れてくれた。
私は海が好きだった。

でも今は。




私の気の緩みで、全てが終わってしまう。
波も風も雲も、もう私には向かってくれない。
全てが、終わるのだ。






私は
母を殺し
皆を傷つけ
人を騙し
自分自身も傷つけるしかなくて
何一つできていなかった。

もう海は私に
優しくはしてくれない。


















それでも、あんたは、あんたたちは来てくれた。

あんたたちなんかに逢わなければと、何度思ったか。
だけどそれと同じくらい、
それ以上に、
あんたたちに逢いたいと、何度思ったか。
















あんたが麦わらをかぶせたとき
あんたが部屋を壊したとき
土煙の中からあんたが立ち上がったとき


私を拒んだ海が
私が拒んだ海が
波が風が雲が
あんたから私に届いたの。















ねぇルフィ、あんたからはいつも
海の匂いがする。
海を憎んだ私ですら優しく包んでくれる
海の匂いが。




アーロン編でのナミとルフィ。
ルフィ出てこないけど(笑)。
ルナミでもナミ→ルフィでもないよ、ナミとルフィだよ。
文才の無さには今さら突っこまないでください(爆)。

2005/05/11

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