寝。
「やっぱり春っていいわね」
「確かにな」
上陸した島は春島だった。
ログは数時間で溜まるため、つかの間の上陸。
ゾロとナミは揃って島の奥の森へと来た。
「桜の木とかないのかしら」
「さぁな。花がねぇと分かんねぇ」
「葉とか見たら分かるわよ」
「おれは分からん」
「あ、そ」
ゾロは大きなあくびをする。
「さすが春島、眠くなるな」
「春島関係ないでしょあんたの場合」
ナミは笑いながらゾロの頭を軽く叩く。
「寝ていいよ」
「おぅ」
「・・・・・誰?チョッパー?」
ゾロがあっという間に眠ったあと、ナミは背後の気配に声をかける。
「ごごごごごごめん」
ナミたちのいる所から数m離れてそこにいたのは、木にしがみついて体半分を逆に隠している愛すべき馴鹿。
「おおおおおれお前らがそんなことしてるなんて気付かなくて」
ナミは大きな木の根元に座っている。
そしてゾロは、いわゆるナミの膝枕の体勢で眠っていた。
「気にしないで。チョッパーもお昼寝する?」
「・・・邪魔じゃないのか?」
「チョッパーが邪魔なわけないでしょ」
ナミに優しく言われ、チョッパーは嬉しそうにトコトコと二人の元に走り寄る。
「私は生憎満席だから、ゾロの上で寝る?」
「わかった!」
そうしてチョッパーは、ゾロの腹巻の上に頭を乗せて、ナミの横に寝転んだ。
「・・なんだ・・?チョッパー?」
「あっ!ゾロ起きたのか!ごめん!」
「いいよ、寝ろ」
目を覚ましたゾロに驚いたチョッパーは飛び起きたが、
ゾロに抱き寄せられ、再び腹巻を枕にして横になる。
「・・・やっぱり、ゾロの腹巻は気持ちいいな」
「でしょー?いい毛使ってんのかしら」
ナミは片手でゾロの頭を撫でながら、もう一方の手で腹巻を掴む。
「トナカイの毛だったりして」
「おおおおおおおお!!??」
ナミが意地悪く笑いながら言うと、チョッパーはまたもや飛び起きた。
「うるせぇぞチョッパー」
「ごめんごめん、冗談よ」
「びびびびびびっくりさせるなー!!」
ゾロとナミの2人から頭を撫でられて、チョッパーはまた横になる。
「・・・まぁトナカイの毛じゃないって匂いで分かるぞ」
「・・・・・・・匂い?」
「うん、ゾロの匂いが染み付いてるからかなり薄くなってるけど、
この毛はトナカイじゃなくて――」
「ああーーーーストップ、バラすのヤメテ。何かこれから寝れなくなるわ」
「???わかった」
せっかく教えてやろうと思ったのに、と少々不満げに思っていると、
頭の上にナミの優しい手が下りてきた。
「おやすみ、チョッパー、ゾロ」
そうして3人は、思う存分春島での昼寝を満喫したのだった。
トナカイの毛で腹巻なんかできるのか。知らん。
というわけで(?)
春らしくまったりラブい(?)お話でした。
オチ?そんなモンは無ぇ。
サンジくんは多分食糧買出しさせられてます。
2005/04/28
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