全。












生まれてきてくれて、ありがとう。

出会ってくれて、ありがとう。

守ってくれて、ありがとう。

支えてくれて、ありがとう。

傍に居てくれて、ありがとう。

笑ってくれて、ありがとう。




愛してくれて、ありがとう。




























ゾロ、なぁに?

足が痛いの?

じゃあ、さすってあげるね。



痰は出ない?

背中は痛くない?


喉が乾いたの?

お水飲む?





ねぇゾロ。


私、ゾロに何がしてあげられる?

















宴会の最後までお酒が飲みあえるのは、ゾロだけだった。


喧嘩して、すぐに仲直りできるのも、ゾロだけだった。




愛した男も、ゾロだけだった。







全てが、ゾロへ。







全てが、ゾロから。



























私は、あんたからしかもらえない、いろんなものをもらったよ。


そして、あんたしか残せないものを、私に残してくれた。




だから、安心して。





私は、

大丈夫だから。





























死なないで、なんて言えない。

そんな言葉使いたくない。


これ以上苦しむなら、いっそ私の手で、とも思った。

でもできない。






だってゾロが笑うから。





死んでしまえばラクになれるのに、




笑うから。







ゾロが笑うのに、私が泣くわけにはいかないわ。


私も笑うしかないじゃない。













ねぇゾロ。


私、ゾロに何がしてあげられる?























ゾロの声が好き。

その声で、名を呼んでもらうのが好き。

ゾロの手が好き。

刀を振るうその手が好き。

その手に触れられるのが好き。

ゾロの背中が好き。

傷一つないその背中に触れるのが好き。

ゾロの目が好き。

まっすぐに見つめてくるその目が好き。





ゾロが好きよ。

愛してる。



私がそう言うと、あんたはいつも「あぁ」って流すけど、

一度も私には言ってくれないけど、

もうあんたの声は聞けないけど、



でも聞こえてるから。

ちゃんと聞こえてるから、ゾロ。


私もよ。

私も愛してるわ、ゾロ。





























いつも私の我儘をきいてくれたね。

もう一度、きいてくれる?





私の全てをあげるから






だから





もう少し








もう少しだけ










ここに居て。









ナミside。
君に捧ぐは、『永遠』。

2005/04/06

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