誼。
「ねーゾロ、この映画面白そうじゃない?」
昼休み、ナミはゾロの前の席に移動して後ろ向きに腰を下ろした。
寝ていたゾロの頭をポンポンと叩いて起こした後、雑誌を広げて見せる。
ゾロは欠伸をしたあと、指で示されたページに目を落とした。
「あぁ…? ……そうだな、なかなか」
映画の紹介記事を読んだあと、ゾロは頷いた。
ナミは嬉しそうに笑いながらゾロの顔を覗き込む。
「いつ行く?」
「おれ、今週日曜は試合」
「えー、じゃあ来週?」
「そうだな、休みに行くんなら」
ナミは雑誌を手元に戻し、隅の方に書かれた劇場情報に目を通す。
片肘をついたゾロはぼんやりそれを眺めていた。
「あ、ねぇねぇちょっと待って、木曜がカップルデーだって」
「安いのか?」
「一人1000円」
「じゃあその日に行こうぜ」
ゾロはまた欠伸をして、猫のように伸びをする。
雑誌を閉じたナミはそれを机に置いて、ちらりとゾロを見る。
「まぁ私はレディースデーでもいいんだけどねー」
「悪いが小遣い前でおれぁ金無ぇんだよ。 誰かさんが奢らすからな」
そう言ったゾロがじとりとナミを睨むと、ナミはむっと口を尖らせた。
「失礼ねっ、頼んだつもりはないわよ!」
「どこがだよ、いっつも奢らせてんじゃねぇかてめぇ」
ゾロは目を細めて、ナミの額をびしびしと指で突いた。
「いたい! だってー、ゾロが払いたそうな顔してるからv」
「いつ誰がどこで」
「いつもいつもいつもv」
ナミはにっこりと微笑み、それを見たゾロは溜息をついて椅子にもたれた。
苦笑して、雑誌を手に取り丸めてナミの頭を軽く叩く。
「ったく、てめぇは…」
「じゃあ木曜ってことで! けってー!」
「おぅ」
ナミは笑って、ゾロの手から雑誌を取って立ち上がった。
返事をしたゾロは再び机に伏して昼寝を再開しようとする。
「なぁ…」
「あ?」
「なに?」
ゾロの隣の席で、ナミが来てからの一部始終を見ていたウソップとルフィはおそるおそる声をかけた。
自分の席に戻ろうとしていたナミは立ち止まり、ゾロは顔を上げる。
「お前らってさ…、付き合ってんのか?」
ウソップの問いに、2人はきょとんと目を丸くする。
「別に付き合ってないわよ?」
「別に付き合ってねぇぞ?」
セリフをシンクロさせ、2人は大真面目にそう答えた。
「変なウソップ」「なぁ」などと呑気な会話をした後、
ナミはその場を離れ、ゾロはうつ伏せあっという間にイビキをかき始める。
「付き合ってねぇんだと…」
「……あれで?」
顔を見合わせ首をかしげるしかない、ウソップとルフィだった。
2007/07/20 UP
『高校生ゾロナミ』
傍から見たらバカップル状態な2人、だそうです。
短い!!!
ごめん!!!
そしてよくあるパターン!!!
やばっ!!
勢いで誤魔化されてくれはしまいか、御稜さん(笑)。
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