融。







見張り台にゾロが上がってくる。




はぁと白い息を吐きながらそれを迎えて、同じ毛布に包まった。




 「今夜は冷えるな」

 「うん、まだまだ下がるわよ」



ゾロの手が伸びてきて、冷えて固まった頬に触れてくる。
暖かいその両手の温もりを味わいながら、ゾロの目を見つめ返す。



 「冷えてるな」

 「うん」



乾燥してカサカサになった頬。
ゾロが触れてくれるだけで、じんわりとそこが暖かく溶けていく。



 「荒れてるでしょ」

 「そうか?」

 「冷たいし潮風だし、これでも手入れはしてるんだけどね…、恥ずかしい」



ゾロの指がゆっくりと頬を撫でるのを受けいれながら呟いた。
その指が両の耳のあたりを包むように移動して、今度は唇が頬に触れてくる。




 「おれは気になんねぇけどなぁ」




他のクルーには見せない優しい笑顔に、私は今日も吸い込まれる。







初めて感じて初めて実ったこの恋が、嬉しくもあるけど怖かった。
自分ばかりがどんどん好きになって、今以上に好きになることはないと思っても、
次の日にはもっともっと好きになってる。

自分らしくないって分かってる。

今まで一人で生きてきて、人の何歩も先を読んで、
人を騙して人を裏切って背中を向けて、誰かの前を歩いてきたのに。



好きだと言ってくれるゾロ。
だけど私の方がもっと好き。

私の『好き』の方が大きいから、ゾロにももっと好きになってもらいたい。
それは我侭なのかもしれないけど、だけどやっぱり止められない。


ゾロが笑ってくれるだけで幸せになれる。

ゾロが名前を呼んでくれるだけで、その日1日笑顔で過ごせる。

ゾロが好きだと言ってくれるだけで、私は何でもできるような気がするの。



辛いことも哀しいことも。

苦しいことも恥ずかしいことも。

ゾロと居るだけで、全部どこかに吹き飛んでしまう。



ゾロが居てくれれば他は何もいらないと、時折思ってしまうほど。





恋い明かす、こんな日々が大切で、ただ愛しくて。


ただただそれだけで、私は幸せだった。





『aikoの【恋ひ明かす】でゾロナミ』

aikoの曲ってすげぇピュアだよね。
聞いてて照れる。
まぁそれ聞いて頑張ってこんなの書いてる私は相当イタイ。
甘ーーい!
久しぶりに甘ーい!!

10/9にリクくれた方、こ、これが私の限界だーーー!!

2006/11/26 UP


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