語。






 「なぁ、おれらタメだよなぁ確か」





夜のトレーニング終わりのゾロがキッチンにやってきたとき、
サンジの皿洗いはちょうど終わったところだった。



 「らしいな」



ゾロは棚から酒をつかみ出して、そのままあおって飲む。



 「おれにも注げ」

 「飲むのか」

 「おうよ」



向かい合って椅子に座り、ゾロはサンジの出してきたグラスに酒を注ぐ。




 「なら、ここらで親交を深めとくべきだ」


 「・・・あぁ?」


 「これからキモチヨク旅を続けたいならば!!
  お互いをよく分かりあうべきだ!!!」


 「・・・酔ってんのか・・?」

 「まだ飲んでねぇ」

 「つーか、何今さら気持ち悪ぃこと言ってんだてめぇ・・」


 「19という繁殖期真っ盛りの男同士が親交を深めるとは!つまり!!」



ゾロの話を全く無視して、サンジは続ける。






 「猥談だ!!!」










 「・・・・・・・・・・・・」


   何故よりにもよって『猥談』などという単語を使うのか。

   今さらながらコイツの思考回路が分からない。


ゾロはとりあえずコメントは口には出さずに、酒を飲むことに集中しようと決めた。




 「ということで、おれの秘蔵コレクションをてめぇにも見せてやろう」


そう言ってサンジは、テーブルの上に、『猥談』するにはもってこいな雑誌をどっさりと置いた。




 「・・・お前、これ、どこに隠してたんだ・・・・?」

 「棚の奥」



サンジはあっけらかんと、キッチンの上の戸棚を指差す。



 「・・・あんな誰でも触りそうなところ、ナミとかチョッパーが見つけたらどうすんだよ」

 「心配するな、キッチンはおれの聖域だ!!ナミさんたちがそこを侵すような事は無い!」

 「あ、そ・・・」


飲んでもないのに妙にテンションの高いサンジに、ゾロは苦笑いしか返せなかった。




 「で、ゾロ、お前どういうのが好みだ?」


サンジはいそいそと雑誌の山から1冊を取り出して、テーブルの上に広げ、
色々な女の写真をゾロに見せていく。

さすがのゾロも、まだ19である。
酒に集中、とは言ったが、結局はサンジと同じようにパラパラと雑誌をめくってしまう。








 「これなんかどうだ?」

 「目がキツイ」

 「そうか?おれ結構好みだけどな」

 「お前が好きなのは胸だろ」

 「まぁそれも込みで」

 「女なら何でもいいんだろが」

 「もちろんこの世の全ての女性に愛を注ぐぜおれは!」

 「・・・・・・・」






 「じゃあこの子なんかどうだ?おれのお気に入りだ!」



サンジが出してきたページの女は、



オレンジ色の肩までの髪に、勝気そうな大きな目。











 「・・・・・・・・・・・・」


 「ナミさんに似てるだろ〜?」






ゾロはそのページをビリッ、と破ってぐしゃぐしゃに丸め、口に放り込んだ。



 「あ、あ!てめ!!何しやがる!!!!!」




慌てて立ち上がって掴みかかってくるサンジを尻目に、ゾロはそのままむしゃむしゃと咀嚼して、飲み込んだ。






 「あーーーーーーーー!!アホ!出せ!!ヤギかお前は!!」

 「ナミヲ卑猥ナ目デ見ルナ」

 「何だそのカタコト喋りは!!何だその蔑む目は!!これはナミさんじゃないだろーが!!」

 「似テル女モ駄目ダ」

 「その喋り方止めろ!!ムカツク!!」


サンジはゾロの首根っこを掴んで前後にガクガクと揺するが、もちろんゾロは動じない。


 「第一おれはナミさんやロビンちゃんをそんな目で見たりしねぇ!
  彼女たちはおれの聖母だからな!!」

 「オ前ノジャナイ」

 「だからその喋り方止めろ!!ちょっとナミさんといい感じだからって調子乗んなよタコ!!」

 「誰がタコだ。ふん、まぁいい。とりあえず許してやる」

 「お前に許しをもらう筋合いはねぇ!」


はぁはぁと息を切らして、サンジは自分の椅子に戻る。


 「くそう・・・やっぱりムカつくなてめぇ・・・」

 「奇遇だな・・・おれもだ」



そうは言いながら、また2人はパラパラとページをめくる。

何だかんだ言ってもエロ本に夢中な19歳ズ。






 「・・・・お前コレ、ルフィたちにも見せてんのか?」


ふとゾロが口にする。


 「いや、あいつらはまだ。お子様だからな。
  まぁ見せてくれっつってきたら見せてやるよ?人生の先輩として教えてやらねぇとな!」


 「でもお前の秘蔵コレクション、結構マニアックだぞ」

 「何!失敬な!!」

 「これとか特にな・・・」

 「どれだよ・・・・・あぁコレか・・・・まぁちょっとそれはな・・・」


何故かお互い小声になって、頭を寄せ合って雑誌を見る。


 「これはちょっとマジでヤバイぞ。おれでも引くぞ」

 「マジか」

 「マジで」












 「サンジくーーん!喉渇いたー、お茶ちょーだーい」







     がたがたがたがたがしゃんがたがたがたがたばたん





 「・・・・・どうしたの?」

 「いいいいいいいいいやナミさん何でもないよ!なぁ!」

 「あああああああぁ何でもない!」


汗をダラダラ流しながら、戸棚に張り付く男2人。


 「なぁに?2人が一緒にいるなんて珍しい!実は仲いいの?」

 「まままままままままぁ色々語ってたんですよ!な!ゾロ!」

 「あーーーーーーー、あぁ!」

気味の悪いほどに、目を合わせて笑いあうゾロとサンジ。
この2人が一緒に仲良く酒を飲んでいる、という状況がナミにとっては珍しすぎたため、
当人たちの顔がどれほど引きつっているかに彼女が気付く事はなかった。



 「えーーと紅茶でいいかなナミさん!!すぐにご用意いたします!」


サンジはあっという間に紅茶のセットを用意して、ナミに差し出す。


 「ありがと!じゃ、せっかくだからお邪魔な私は退散するわね。おやすみなさい!」

 「邪魔だなんてそんなあはははははははははははは・・・・」

 「はははははははははははは・・・」







ナミの出て行ったキッチンで、一気に脱力する2人。



 「・・・・・っはぁ〜〜〜、マジでビビった・・・・」

 「つーかキッチンでこんなの広げてりゃ、そりゃマズイだろうが」

 「まぁな・・・、よし、ゾロ、次の親睦会は男部屋で開催だ!」

 「次もあんのか・・」

 「この際ルフィたちにも大人の階段上らせちまおう!共犯だ共犯!!」


再びウキウキとしだすサンジを
ゾロはあほらしい、と思ったが、
結構楽しみにしてる自分に気がついて、「エロコック」と口に出すのは止めておいた。


   まぁまだ19だしな。うん。


とりあえずそう言い訳をして、恐らくは今夜そのまま開催されるであろう『親睦会』のために、
2人は雑誌をまとめて男部屋へと消えていった。。。。。。



えーと、よく分からん話になりました・・・。
とりあえず2人を仲良くさせたかったのです。。。
撃沈とか言うな!!分かっとります!
オチが無いのも分かってる!!
ところで健全男子は、友達集まってエロ本見たりするの?
一緒に見てたら、こう、高まった欲(笑)はいつどのように発散するの?
みんないるんでしょ?え?あれ?
みんな気にしないの?
見るだけ、という自制がきくのかしら。うーむ。
最後のコメントまで訳分からん内容になりました。
おしまい!

2005/02/22

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