嬌。
「ただいまナミさん今戻ったよぉ〜vvv」
甲板に上ったサンジは、巨大な買い物袋を抱えたまま、
出迎えに出たナミにハートマークを飛ばしながら声をかける。
「おかえりサンジくん」
「おかーり!」
ナミに続いて甲板に出てきたミラは、そう叫んでペコリと頭を下げた。
ナミとゾロの子供であり、いまやメリー号のアイドルとなっているミラはまだ1歳半だが、
歯はガッチリと生えそろい食欲旺盛、甲板も走り回るという元気っぷりだった。
ゾロに似た緑の髪を2つ分けにしてゴムで結び、ナミに似た愛くるしい顔でにこにこと笑う。
身内でなくとも思わず頬が緩んでしまう可愛らしさだった。
「ただいまミラちゃぁーん!」
「ただいま、ミラ」
サンジの後に続いて、こちらも巨大な袋を担いだゾロが甲板に上がる。
ミラは父親の姿を見つけると、とてとてと一目散に走って行き、
ゾロの膝のあたりにしがみついて、両足の間に頭を突っ込んだ。
ゾロはポンポンとその頭を叩きながら、また「ただいま」と答えた。
顔を上げたミラは、ゾロに向かって両手を突き出す。
ゾロはそれを見て優しく笑って、ミラを抱え上げた。
「ミラ、パパにおかえりのちゅーは?」
ナミが2人の様子を微笑ましく見つめながら言った。
その言葉に、ミラはいったんナミの顔を見て、それからまたゾロを見て、
顔を近づけてゾロにキスをした。
嬉しそうにミラは笑い、ゾロもははっと声をあげて笑ってミラの頭を撫でた。
「ミラ、サンジくんには?」
ミラはぐるんと顔を動かして、ゾロの傍らに立っていたサンジの姿を見つけた。
「ミラちゃーん!おれにもキスを!」
サンジは頬を緩めて、オーバーアクション気味に両手を広げる。
ミラが体をねじって腕を伸ばしたので、ゾロはサンジにミラを渡した。
ミラを抱え、んーーっと口を突き出すサンジに、ナミがポツリと一言告げた。
「あらサンジくん、ゾロと間接キスね」
「………」
ピタリとサンジの動きが止まる。
ゾロもひくりと口元を引きつらせる。
「ナ、ナミさん……」
「気持ち悪ぃこと言うなよお前…」
「本当のことじゃない。 さぁミラ、ぶちゅーーっとやっちゃいなさい?」
ナミは2人の表情を気にするでもなく、ミラに向かって優しく声をかける。
「あーんじ!」
無邪気に笑いながらミラは顔を近づけていくが、サンジは無意識に顔を離してしまう。
ミラは不満そうに、なおも近づける。
「サンジくんったら、何で逃げるのよ。 ミラが寂しそうじゃない!」
「だ、だってナミさんが変なこと言うから…!」
「ミラのこと、嫌いなのね…!私の子供なのに!」
ナミはわざとらしく、泣きそうな顔をして両手で顔を覆った。
ミラは相変わらず不満げな顔でサンジを見つめている。
愛しい愛しい、ナミの子供。
かわいいかわいい、我が子のようなミラ。
だが、あのゾロとの間接キス。
サンジの頭の中で色んな言葉がその眉毛同様にグルグルと渦を巻く。
だが意を決したのかじっとミラを見つめ、サンジはぎこちなく微笑んでから顔を近づけて行った。
ミラも笑ってキスしようとする。
が、直前でゾロがミラを自分の腕の中に奪い返した。
「あ!何しやがる!」
「つーか、ミラがお前とキスする必要は無ぇ」
「何じゃそら!!」
せっかくの気合が空振りに終わり、サンジは額に血管を浮かべてゾロを睨んだ。
ミラはきょとんとした顔をしたが、何事も無かったかのように再び父親にしがみつく。
「孕まされる」
「アホ言うなぁ!
「それもそうね」
「ナミさーーん!!」
ゾロは片手でミラを抱えなおし空いた手で買出しの袋を担いで、さっさとキッチンへと向かった。
ナミもその後に続く。
「おれが何したよチクショウ!!」
サンジのごもっともな、だが虚しい叫びを聞いてくれる者は誰もいなかった。
「ナミ、えらいサンジに意地悪なこと言うなー」
階段ですれ違って、一部始終を見ていたウソップは苦笑しながら声をかけた。
ナミはチラリと背後で叫んでいるサンジを見てから、ボソリと呟く。
「だってさー」
「だって?」
「サンジくんがゾロを返してくれないから」
「……」
サンジとゾロが2人で買出しに行って、その帰りがちょっと遅かったから。
ただそれだけの理由だった。
ゾロとの間接キスという難敵(?)を乗り越えてまでミラへの愛を示そうとした、
甲板でヘコんでいるサンジにウソップは少し同情した。
『ゾロナミミラ親子の日常生活』
ちなみにミラちゃんというのは、隠れ家ゾロナミの愛娘です。
今まで何度か登場しております。
探してください(人任せ)。
ゾロナミミラの日常……?
これじゃサンジくんメイン……?
今回のモデルは私の姪っ子ですv
ラブリーv
10/6にリクくれた方、こんな雰囲気で!
2006/11/21 UP
生誕'06/NOVEL/海賊TOP
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