離。










永遠なんてものがあるとしたら、それはお前の事だと思ってた。







何で、こんなことになっちまったのか、いまだに自分でも分からない。

だがあの女は確かにおれと同じものを持っていたし、
あの女が見せる表の顔と、誰にも見せないおれだけが気付く裏の顔、
それに惹かれてしまったことは否定できない。




おれはお前を愛してた。
口にこそしなかったが、それでも確かに。


笑って、怒って、時々泣いて。
くるくると表情の変わるお前を見てるのは好きだった。
魔女のような笑顔も、母親のような微笑みも、
おれにしか見せなかった、女の顔も。

本当に、本当に心から、愛していた。






お前を泣かせるつもりなんてなかったのに、今もまたこうして泣かせてる。



 「ねぇゾロ」

 「あぁ」

 「ロビンを、泣かせないでね」

 「……」

 「ロビンは、涙を飲み込んじゃう人だから」




それはお前じゃねぇのか。

と思わず口に出しそうになった。
目の前の女は泣きそうな顔なのに、決して涙を流しはしない。





 「ゾロ」




そう言って、目を伏せたナミが手を差し出してくる。




 「握手しよ」



じっと見つめて、同じように手を伸ばした。
ナミがその手をぎゅっと握る。

細く白く、力を入れれば簡単に折れてしまいそうな女の手。
だが、決して折れることはない、強く凛々しいお前の手。




 「…私たちは、仲間だよね?」

 「……あぁ」

 「よかった」



俯いて、ナミは小さく呟いた。




 「お幸せに、なんて言わないわよ」

 「あぁ…」

 「言わなくたって、なるでしょうから」

 「……」




ナミは顔を上げて、目を合わすとにこりと微笑んだ。


怒りもせず、泣きもせず、責めることもせず。

ただナミはおれの手を握る。




どこまでも強く、

どこまでも優しく、

そして愛しいこの女の手を。


おれはどうして、離してしまうのか。






 「……いい女だよな、お前」

 「あら、今頃気付いたの?」

 「いや…」

 「でも私より、ロビンの方がいい女でしょ?」

 「………さぁな」



ふっと笑うと、ナミも同じように笑った。
少し潤んだその瞳から零す涙を、ナミはおれにはもう見せはしないだろう。



もうきっとお前に触れることはできない。
お前がおれにあの笑顔を見せることもない。


心変わりしたのは自分なのに、勝手な寂しさが湧いて出て、
いつまでもナミの手を離せなかった。





『ゾロロビ話』
ゾロがナミを振ってロビンとハッピーエンド、というリクでした。
ハッピーか?これハッピーか???
とある曲がBGMです。
分かるかな?

全国のゾロナミストさん、私に石を投げるのはもう少し待って!!
もう数日待ってーーーー!!!
あ、ゾロに石を投げる準備はしといてください(笑)。
…もうピンと来てる人もいらっしゃるでしょうが、しばしお待ちをv

10/3にリクくれたはるなさん、こうなりましたー。

2006/11/17 UP


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