倫。






生まれたことも、そして消えることすらも、
誰にも気付かれないままで燃え尽きる星がある。




星のように生まれて、

星のように消えていく。


いっそ自分でも気付かなければよかった、この思いはまるで

そんな星のようで。











体だけの関係を望んだのは自分だった。

それでいいと強請ったのは自分だった。



あなたが、私ではない違う人と作っている幸せな世界を、壊そうなどとは思わない。
私だけを愛してほしいなどとは言わない。
あなたの中で唯一になりたいなどとは願わない。

ただ、あなたという人間の片隅にひっそりと存在する。
それだけで充分だった。





私を好きかと問うてみる。
少し間を開けたあなたの答えは聞かない。
だから笑って誤魔化した。
聞いてはならない馬鹿げた問いをした、自分を自分で笑う。

所詮私は道化なのだ。

私たち2人の未来を想像することなど、できはしない。
あなたの隣に居るのは自分だと、願うことすらも許されない。



だからせめてこの瞬間は、離さないでと手を伸ばす。
その手に絡めてくれたあなたの冷たい手は、私に愛ではなく不安をくれる。

愛の無いまま繋がる体に熱は無い。

あなたの冷たさが、私の熱を奪っていく。









これが恋だと気付いてしまったあの瞬間から、私はあなたの傍に居る資格を失った。
気付いてしまったら、もうおしまい。

でも自分で終わらせることができるほど、私は強くない。

そうしてあなたの優しさに甘えて、自分の思いを誤魔化していく。



だからどうか、あなたから終わらせて。

この胸で育ってしまった小さな芽を、せめてあなたの手で摘み取ってほしい。








あなたの耳に揺れる3つのピアス。
ひとつ頂戴と言うと、あなたは無言で私にくれた。
冷たく光るそのピアスを、両手でぎゅっと包み込む。

これは刃。

私の哀れな小さな芽を摘み取る、冷たい刃。





今日も私はあなたへの恋心を育てていく。
気付いていながら気付かないフリをする、あなたの残酷な優しさにしがみついて。





2006/07/30 UP

『ポルノグラフィティ【ジョバイロ】でゾロナミ』
6/11にリクくれたReeさん、ごめん、短くて・・・・orz

なんていうか曖昧な雰囲気をお楽しみください(逃っ!)。
不倫の恋ってのは、今以上を求めてしまったらオシマイです。
そんな感じで!

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