撫。





ナミとゾロが式を挙げ、同時にナミの妊娠が発覚してから6ヶ月。


大きくなった腹を抱え、本日もナミは食欲旺盛。







 「お前、よく食うなぁ」

 「あんたに言われたくないわよ、ルフィ」

 「いやナミ、マジで食いすぎじゃねぇ?」

 「うるさいウソップ! 2人分なんだからイイの!」



キッチンでは、ルフィに負けず劣らずの勢いでナミが昼飯を食べていた。



 「食べ盛りなナミさんも素敵だ!」

 「ありがとサンジくん! これおかわりv」

 「喜んでー!」



スープの皿を差し出され、サンジはクルクルと回りながらニ杯目を注ぐ。


ナミの隣でその様子を見ていたゾロは、ポツリと呟く。



 「ちょっと前は、何にも食えてなかったのにな」

 「まぁねー、つわりひどかったから」

 「あの頃がウソみてぇな食欲だな・・・・」

 「自分でもビックリよ・・・でも元気に育ってる証拠よ?」

 「まぁな」



ナミはゾロににっこりと笑いかけ、ゾロもそれに笑顔を返す。
このところ堂々とイチャつくようになってしまった2人を、ウソップたちは若干頬を染めて見過ごし、
コホンと咳払いをして空気を変えた。



 「と、ところでナミ、お前今何ヶ月だっけ?」

 「んーと、9ヶ月・・・だっけ?」

 「適当だなオイ」

 「いいのよ、チョッパーがちゃんと診てくれてるから」

 「そんなモンかよ」

 「そーそー。 よっし、ごちそうさま!」



ナミは両手を合わせてサンジに微笑む。
サンジは恭しく礼をしながら、ナミに水の入ったグラスを手渡す。



 「ナミ、あとでちゃんと歩けよ」

 「分かってるわよ」




ゾロに言われて、ナミはべーっと舌を出してキッチンから出て行った。












しばらくして、甲板をせっせと歩くナミの姿が見られた。



 「なぁゾロ・・・最近やけにナミ、歩いてるなぁ」

 「チョッパーに言われたんだと」

 「何て」

 「太りすぎ、て」

 「・・・・・あ、やっぱり?」

 「らしい。 本人に言うなよ、殴られんぞ」

 「分かってる・・・」



ゾロとウソップは苦笑しながら、甲板をグルグル回っているナミをキッチン前から見下ろした。
ナミの後ろを、ルフィが面白そうに一緒に付いて回っている。
邪魔よ!と口では言っても、付き合ってくれるのが嬉しいのか、笑いながらナミはルフィと歩いている。








 「しっかし、でけぇ腹だなーナミ!」

 「そりゃあね」

 「何入ってんだ?」

 「何って、赤ちゃんよ」



ふー、と息を吐いて、ナミは休憩のため甲板に置かれたナミ用の椅子に腰を下ろす。
ルフィもその傍に座り込んで、ナミの腹をまじまじと眺める。



 「触る?」

 「いいのか?」

 「いいわよ、今結構動いてるから、面白いわよ」

 「へー・・・・」



ルフィは恐る恐るナミの腹に触れる。
瞬間、皮膚の下でぐにゃりと何かが動く。



 「うわ!」

 「あ、そこが足ね。このへんが頭」

 「うわーーうわーーすげーーーー! ナミすげーーー!!!」

 「何がすごいのよ・・・」



ルフィの無邪気な反応に、ナミは苦笑しつつも嬉しそうだった。

そこへロビンが3人分のお茶を持って甲板にやってきた。



 「あ、ありがとロビン!」

 「いいえ」



ルフィにもグラスを渡し、ロビンも同じようにその隣に座る。





ゾロも甲板に下りて、ナミにタオルを差し出した。
ナミの隣に立って、壁にもたれる。




 「本当、人間の腹とは思えねぇな」

 「あんたのソレは聞き飽きたわ」

 「毛ぇ生えてるしな、腹」

 「・・・・・うるさい!!」

 「毛生えてるのかナミ!? モジャモジャなのか!? 見せろ!」

 「もう、バカルフィ!」

 「ヘソが無ぇしな」

 「ヘソが無いのかナミ!? どこ行ったんだーー!!?」

 「あるわよバカ!!」



何故だかチョッパー並に目を輝かせるルフィに一喝して、ナミはゾロを睨む。



 「皮膚が張るんだからしょうがないでしょ!」

 「・・・手入れしやすくてイイんじゃない、航海士さん?」

 「・・・・まぁね」



ニコニコ笑ったままのロビンに、ナミはちょっと照れつつも返事をした。



 「ところでお前、本当に船の上で産む気か?」

 「何よいまさら。そうよ」

 「陸で産んだほうがラクなんじゃねぇの?」



ナミはゾロを見上げながら答える。



 「だって、そうしたら多分産んでからもしばらくはソコに留まることになるでしょ?
  メリー号を巻き込むわけにはいかないじゃない。それなら最初から船で産んだほうがいいでしょ」

 「・・・・・」

 「大丈夫よ、チョッパーもいるんだし! 色々準備してくれてるわ。
  それに一応予定日近くになったら、島に停泊するつもりだから、
  もしもの事態になってもそれなら平気でしょ?」

 「・・・まぁ、な」



ナミは微笑んで、ゾロの手を取り握った。
ゾロも諦めたように息を吐いて、その手を握り返す。




 「なぁなぁ、それよりさ! 男かな、女かな?」

 「解んない」



ルフィは目を輝かせて、ナミに問う。
さすがに船の上の設備では性別などわかるはずもなく、
生まれてからのお楽しみ、ということになっている。



 「女の子じゃない?」

 「何で解るのロビン?」



ロビンは変わらずニコニコと微笑みながらナミに言う。
ナミとルフィは驚いてその顔を見る。



 「貴女の顔、キツくなってないもの」

 「顔? 私の?」

 「男の子だと、顔つきが変わるそうだから」

 「ふぅーん。そうなんだー・・・・」



ナミは自分の腹をさすりながら、ゾロを見上げる。



 「女の子だって」

 「あぁ」



目を合わせた2人は、嬉しそうに微笑む。





ルフィとロビンは2人のその表情を見て、目を合わせて一緒に笑った。




2006/07/26 UP

『ゾロナミALLで「式。」の続編、お腹の大きくなったナミさん』
6/10にリクくれた柚あんさん、これを妊娠中の話ということにしてもイイですか?

私は妊娠なんてしたことないもーん(言い訳)。
とりあえずナミさんが妊婦さんだよ。
ていうか妊娠だの子供だののリクが多いな今回。
こっちはもう必死だよ(笑)。

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