60000ゲッター、asサマへ愛をこめて。

数。






 「この島のウリって、競馬なんだって」

 「ほー」





それなりに大きな島に着いた麦わら一味は、海賊旗を隠して船を預け、
揃って島の中心部へと足を運んでいた。

町の人間から聞いた話では、
島の中心にある競馬場は離れた島からも人が来るほどの人気を集めているらしい。





大きな門をくぐれば、町中から集まったのかと思うほどの数の人間が溢れ、
場内は騒然とし、熱気が漂っていた。
男のみならず、若い女性や年寄りまで、この島では老若男女問わず皆が競馬を楽しんでいるようだった。

ちょうどレースが始まったようで、
馬が地面を駆ける音、そして人々の歓声が空気を震わせていた。




 「おれ競馬ってやった事ねぇな」

 「おれもだ」



やり方はいたってシンプル。
用紙に予想を書き込んで、馬券を購入する。

1位の馬だけを予想するか、1位2位もしくは上位2頭を予想するか。
他にも買い方はあるようだが、素人の麦わら一味にはチンプンカンプンだった。

要は1位と2位を予想しときゃイイんだ、とそれぞれ納得し、用紙を握り締める。

サンジとウソップは楽しそうに『競馬の楽しみ方』のガイドブックを見ている。
ルフィは、走る馬の姿を見ながら『美味そうだ・・・』と呟いていた。
ロビンとチョッパーは一緒に同じ新聞を広げている。





 「お前、やったことあんのか?」

 「無いわよ。私、確実に勝てる賭けしかしないの」

 「じゃあ何で来たんだよ・・・・」



こちらも楽しそうに新聞を広げているナミを見ながら、ゾロは呟いた。



 「だって、面白そうじゃない。それに馬ってかっこいいから好きよ」

 「ビギナーズラックでも期待すんのか」

 「それもあるけどまぁ、今日は奮発した遊びってことで。各々自分のお小遣いの範囲でねv」




競馬場に入る前、ナミはクルー一人一人に小遣いを渡していた。
どれだけの馬券を買うかは各自の自由。
ただし勝った場合は半分を『麦わら海賊団』にバックすること、と注意するのを忘れない。

本当に当てた場合は、その金額に応じておそらくは半分以上取られることは間違いないが。











 「で、お前どれ買うんだ?」

 「うーん、名前とかこの変な記号とか見てもよく分かんないわね・・・」

 「とりあえず二重丸とかついてるヤツは速いんじゃないですか?」

 「そんな簡単なモンじゃねぇだろー」




サンジとウソップも寄ってきて、同じようにルフィやロビンたちも集まってきた。
皆で頭を寄せつつ、新聞を囲む。


その脇でゾロは早くも購入用紙に数字を書き込んでいた。
それに気付いたナミがぱぁっと顔を明るくする。



 「ゾロ、やったことあるの?」

 「無ぇ。適当だ」

 「なんだー。うーん、経験者ゼロか・・・。じゃあ好きな数字で決めよっかなぁー」

 「数字?」

 「あ、いいなぁソレ」



ナミが呟いた一言に、ルフィとウソップが反応した。
ルフィはにかっと笑って、ペンを握り締める。



 「じゃあおれ、自分の誕生日で5番単勝1点買いだ!!」

 「じゃ・・・・おれは4−1にするかな・・・」

 「おれも3−2買うか」

 「私も2−6にしましょ」



サンジとロビンもそれに続いて、用紙に数字を書いていく。
だがペンを滑らせるロビンの隣で、チョッパーは俯いていた。



 「船医さん? どうしたの?」

 「・・・・おれ、おれ、12−24なんて無い・・・・」

 「な、泣かないでチョッパー! 12番の単勝とか1−2とか2−4とかでもイイんじゃないっ?」



フルフルと震えるチョッパーの頭を撫でながら、ナミは慌てて提案した。
チョッパーはコクリと頷き、じゃあそれにする、と呟いて書き込んでいく。




各々ブツブツ呟きながら用紙を埋めていき、小金を握り締めて馬券を買いに行った。













 「・・・お前もそれじゃ、7−3か?」

 「ううん、私は6−11」

 「・・・・何の数字だ、それ?」

 「ロロノア・ゾロの数字よ」

 「・・・ほーーー・・・・・」



ふふんと何故か得意げなナミに、ゾロは苦笑する。



 「何よ、文句ある? それとも迷走しちゃうかしら、この数字」

 「迷子扱いすんな!」

 「まぁまぁv で、ゾロは何にしたの? さっきもう書いてたわよね?」

 「いや、おれは・・・・」





ゾロはさりげなく隠そうとしたが、ナミはさっと用紙を奪い取った。











そこには、7−3の数字。









 「・・・・・・」

 「・・・・・何だよ。何だその顔は・・・」

 「べーーーつにぃーーーーvvv」



ナミは満面の笑みでゾロの腕にしがみついた。
心持ち耳を赤くして、ゾロは小さく呟く。



 「ふ、深く考えんなよ、おれの誕生日11だから買いようがなかっただけだからな・・・」

 「分かってるってばvv」

 「分かってねぇだろその顔は・・・・」

 「いいのよ、あんたの愛はひしひしと伝わったわ!!」

 「調子乗んな!」




そのゾロの言葉に、ナミはむっと顔をしかめる。
腕にしがみついたまま、ゾロの顔を見上げて睨みつける。





 「じゃあ何よ、愛は無いの?」

 「ぐ・・・・・」

 「2−6でも3−2でも4−1でも、5番単勝でもなく、どうして7−3なのよ?」

 「・・・・・・・」

 「愛でしょ?」





ナミにじーーーーっと見つめられ、妙な汗をかきながら目を逸らしたゾロは、とうとう折れた。




 「・・・・勝手にしろ!! とっとと買いに行かねぇとレース始まんぞ!!」

 「はいはい、照れない照れない」

 「照れてねぇ!!!!」




腕から離れて、嬉しそうに馬券を買いに行くナミを見送ってから、
ゾロは書きかけだった用紙に再び向かい、それから皆の後を追った。























そしてレース終了。





 「・・・・・7−11−−−−−−−−−−!!!!!!!!」




 「ナミさん取ったの!?」





叫ぶナミに驚いて、ハズレ馬券を握りつぶしていたサンジが振り返る。
同じように外れてしまったルフィたちも、揃って目を輝かせてナミを見る。



 「ううん・・・・買ってない・・・そうよね・・・この組み合わせがあったの忘れてたわ・・・」



悔しそうに自分の馬券を握るナミの隣で、ゾロは小さく『・・・買ってる』と呟いた。



 「・・・えっ!!? 本当に!?」

 「何でお前そんな数字買ってんだよ。7と11って何の・・・・」

 「・・・・・ゾロ、愛してるわーーー!!!!!!」





あぁそうか、と納得してニヤニヤと笑うクルーたち。
頬を染めて喜色満面でゾロに抱きつくナミ。

そしてゾロは嬉しいやら恥ずかしいやらムカつくやらで、
複雑な表情のまま、手の中の万馬券を見下ろしていた。





60000キリリクです。
ゲッターはasサマ、リクは『ゾロナミ+αでほのぼの』です!
ほのぼの・・・・に出来たかなぁ・・・・?
競馬場に行ってみたい。
馬が見てみたい。
当ててみたい。。。。

皆が誕生日の数字を買う前に、既にこの数字を買ってたロロノアさん。
愛ですよ、愛。
ちなみに11−7ではなく7−11なのも、愛です(笑)
最後のナミさんは、
ゾロがその組み合わせを買ってくれてた喜びが半分、
万馬券の喜びが半分です(当然)。
ゲットしたお金はほぼナミさんの手の中にいくと思われます。。。。

そんなわけで、ほのぼのと言い張ってasサマへ捧げますv

2006/04/18

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