48484ゲッター、東沙夜さまへ愛をこめて。

組。








 「この戦争・・・誰が仕掛けたの?」

 「・・・まぁ、おれだな」

 「意外ね、ルフィオーネあたりだと思ってたわ。さっきの、彼のとこの殺し屋でしょ?」

 「あぁ」









ゾロシアファミリーのボス、ゾロシアは自室の椅子に腰掛けて葉巻をくゆらせていた。

オレンジ色の髪の女は、笑いながらゾロシアに近づいていく。





 「それで? 私はどっちを?」



女は微笑んだまま、ゾロシアの膝の上に乗り彼の首に手をまわした。
ゾロシアは葉巻を置いて、女の腰を抱く。




 「ルフィオーネを?」

 「いや・・・ルフィオーネがおれを狙ってるスキに、サンジーノが奴のタマ取ろうとするだろう」

 「でもルフィオーネは簡単には殺れない・・・」

 「そうだ。結局今は両ファミリーが手薄になってる。・・・さぁ、ウチはどっちを殺る?」

 「・・・・・サンジーノね」

 「そうだ」




ドン・サンジーノの女好きは有名だった。
過去に女に寝首をかかれた、という噂はいくらでもある。
大半は噂ではなく真実らしいが。




 「ナミモーレ、お前に適任だろ」

 「そうね」



ナミモーレと呼ばれたその女は、深くスリットの入ったドレスに手を伸ばし、
太腿に巻いたホルスターから愛用の銃を抜いた。





 「やれるか?」

 「私を誰だと思ってるの? ゾロシアファミリー最高の殺し屋よ」

 「そうだな」

 「大丈夫よ、ウチが勝つわ」

 「当然だ。ウチにはお前と・・・ロビータ、いい殺し屋が2人もいるんだ。負ける要素はゼロだ」

 「・・・・ロビータは信用できないわ」




ゾロシアファミリーに属するもう一人の殺し屋の名前が出た途端、ナミモーレは眉を寄せる。




 「何故だ?」

 「女の勘よ。特に私が嫌いみたい」

 「そうか」

 「私に『勝ちたい』みたいよ?」



ナミモーレは首をかしげて、意味深に微笑む。





 「・・・・おれが求めるのは、『仕事』のできるヤツだけだ」

 「そうね。その点でも私は合格でしょ? 色で仕掛けて、殺ってくるわ」

 「あぁ・・・・」



ゾロシアの声が曇っているのに気付いて、ナミモーレはクス、と笑った。




 「何を心配してるの。ミイラ取りになるとでも?」

 「あいつは女好きだからな・・・しかも、ウチより金持ってるぜ」

 「あんな優男、興味ないわよ」

 「そうか」

 「そうよ」





ナミモーレはゆっくりとゾロシアに顔を近づけていく。





音を立てて唇を離したあと、妖艶に微笑んでみせた。





 「あなたの愛以外、いらないわ」

 「・・・・・いい子だ、ナミ」





ゾロシアが抱く手に力を込めると、ナミモーレはするっと立ち上がった。





 「じゃあ、行ってくるわ。お土産楽しみにしててね」

 「程々にな」



愛以外いらないと言いながらも、やはり金の類には目がないナミモーレに
ゾロシアは苦笑しながら、ヒラヒラと手を振った。




























翌日。

ゾロシアの部屋の扉を乱暴に開け、幹部の一人が息を切らせて飛び込んできた。




 「ボス!!!」

 「どうした・・・・。サンジーノの殺し屋の事ならもう聞いたぞ。ルフィオーネに――」

 「ナ、ナミ、ナミモーレが・・・!!」

 「・・・・・・・・・・」

























数時間後、長い黒髪の女がゾロシアの部屋に入った。




 「ドン・ゾロシア・・・お仕事かしら?」

 「ロビータ、ルフィオーネを殺ってこい」



入り口の前に立っているロビータに背を向けたまま、ゾロシアは窓の外を見ながらそう告げた。



 「・・・・ナミモーレは? 彼女が行ったと聞いたけど」

 「ナミは・・・・サンジーノを殺った」

 「・・・・まだ戻ってないの?」

 「お前には関係ない。自分の仕事をしろ」




ゾロシアは振り返り、ロビータを睨む。






 「・・・・ボス、貴方・・・鏡を見た?」

 「・・・あぁ?」

 「泣きそうな顔をしてるわ。ドン・ゾロシアともあろうお方が」

 「・・・・」




ゾロシアは小さく舌打ちをして、またロビータに背を向けた。





 「ナミモーレは死んだのね」

 「・・・・仕事をしろと言ったはずだ」

 「いやよ」

 「・・・・何だと?」



唐突な反抗に、ゾロシアは驚いて振り返った。

ロビータはゆっくりとゾロシアに近づいていき、部屋の中央あたりで立ち止まる。





 「私が死んでも、貴方はそんな顔をしてくれるかしら」

 「・・・何を言い出す」

 「私がどれだけ彼女を羨んでいたか・・・わかる、ボス?」

 「・・・・・・」

 「彼女は死んだのに、それでも私は勝てないのね」

 「・・・・・・」

 「さよなら、ボス」

 「・・・何?」



ロビータはうっすらと微笑んで、無造作に手に持っていた銃を持ち上げた。

銃口はピタリとゾロシアの胸に向けられ、微動だにしない。





 「ナミモーレの元に送ってあげるわ」

 「・・・・何の冗談だ、さっさとルフィオーネの所へ行け」

 「興味ないわ」

 「おい・・・!」

 「さよなら」

 「ちっ・・・・!!」





2発の銃声が鳴り響く。






























殺し屋として、私たちは多くの命を奪ってきた。
殺るか、殺られるか。
そのどちらかの世界で生きていく以上、それは避けて通れない道。
まともな死に方はできないだろう。

誰かの大事な人を殺し、誰かの愛を永遠に奪ってきた。

だから私は愛を求めない。



でもただひとつ。


彼の愛が欲しかった。



同じ殺し屋なのに、貴女はあんなにも愛を得ていた。
貴女が死んでも、その愛は私には向かわない。



だけど。

最期に貴女にようやく勝てる。


愛する男の手で、私は死ぬの。





どうして彼が私の銃を避けなかったのか、その理由は考えたくなかった。























まさか味方に裏切られるとはな。

ロビータの気持ちに気づかなかったわけではない。
だがあいつはあくまでもファミリーの殺し屋。
それ以上にはならなかった。




ナミ。


お前は腕のいい殺し屋で、
ゾロシアファミリーのナンバー2で、
そしておれの恋人だった。



最期まで自由に生きた、まるで猫のような女だった。
ボスの『女』というポジションに納まる女ではなかった。

抱きしめようと思えばヒラリと逃げる。
背中を向ければ摺り寄ってくる。

自分の女として宝石箱の中にでも囲っておきたかったが、
お前は殺し屋として最期までファミリーに属することを選んだ。
いつ死ぬとも分からない。
それでもお前は、その道を選んだ。
おれの隣で、おれと共に生きておれと共に死ぬ道を選んだ。


それなのに結局、おれに死に顔すら見せなかったな。




ナミ



おれがこれから行くところに、お前はいるか?


もしそうなら、今度こそ。


今度こそ、お前を一人で死なせはしない。




カウンタ48484のミラー番リク!
ゲッターは東沙夜サマでした♪

5thログのオマケ漫画より、『ゾロシア×ナミモーレ(+ロビータ)』。

ルフィオーネファミリー : ドン・ルフィオーネ、殺し屋ウソトゥーヤ。
サンジーノファミリー : ドン・サンジーノ、殺し屋チョパリーニ。
ゾロシアファミリー : ドン・ゾロシア、殺し屋ナミモーレ、ロビータ。
というキャストでした。

あんなに面白いオマケ漫画が何故かこんなシリアスに。
だってシリアスリクだったから!!
お笑い系とシリアス系で、シリアス系ってことになったから!!
死にネタでも許してv
てか、あんまりゾロナミになってない・・・・・・あぅ・・。
くそう、いつかリベンジを。

てことで(?)、東サマに捧げますvv
返品の際は手数料・送料共に無料です(笑)。

2006/03/12

追記。
東さんがあのシーンのイラストを描いてくれたよ!
きゃっほう!!
ありがとーーーvvv
コチラからどうぞvvv(宝蔵においてあります)

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