仲。





 「ゾロ、最近サンジくんと喧嘩しないわよね」

 「あ?してるじゃねぇか」

 「してるけど、前みたいなのとは違うじゃない」

 「違うって、何が」



ゾロは、ダンベルを上げる手を止める。



 「なんていうか、友達同士のじゃれあいみたいになってる」

 「・・・・気持ち悪ぃこと言うな・・・」



私が呟くと、ゾロは眉間に皺を寄せ嫌そうな睨んできた。



 「だってー」

 「何だよ、つーか喧嘩すんなっていつも言ってんだろてめぇは」

 「そうだけど」

 「じゃいいじゃねぇか」

 「うーん」












最近、ゾロとサンジくんは仲がいい。
もちろん、親友とかそんな感じではないけど、
言うなれば、悪友。

最初のころは、目が合えば喧嘩を始めて、ロクに会話もしていなかったのに、
最近じゃ普通に話している。
まぁそれが、19歳同士では不思議なことじゃ無いんだろうけど。


夜も、サンジくんとキッチンでお酒を飲んでたりする。
たまにそこにウソップたちが加わったりして、
何やら男同士で楽しそう。
私が行くといつの間にか解散、な雰囲気になって、
そのまま皆で男部屋に潜ってしまう。

一体何の話をしてるんだか。
まぁあいつらも男だし、女の私には聞かせられないような話もあるんだろう。
けど、何か寂しい。
別に私は気にしないのに。
何だか、仲間はずれにされているようで、気に食わない。







今夜も、ゾロはサンジくんとキッチンにいる。

そういえば今日、町から戻ってきたとき、
サンジくんは食材の他に買い物をしていた。
あの大きさは雑誌っぽかったけど、
多分アレな本だろう。

それを仲良く2人で見ていると思うと、無性に腹が立った。
さすがに私と見なさいとは言えないし、
そういう本を見るなとも言わない。

何でわざわざサンジくんと2人で見るのよ。

そのへんが腹が立つ。

一人でトイレとかで見なさいよね、とか思って、
イライラしてきたので、キッチンに乗り込むことにした。






扉の前で、
念のため戸は開けず中の様子を伺う。

中からは、何だか楽しそうな声がした。




おそらくは2人でお酒を飲んでいる。
サンジくんの声がいつもと違って何だか明るいし、
ゾロの声も普段より軽い。

どうやらアレな会話ではないようだけど、
サンジくんが何か喋って、
それにゾロが笑ったり相槌を打ったりして、答えている。



いつも喧嘩ばかりだったのに、
何で私のいないところでこんなに仲がいいの。


普通に、本当に普通に、取留めのない会話。

ただそれだけなのに、何だか悔しくて、勢いよく扉を開けた。









 「うわっ、ナミさん?」

 「何だ、まだ起きてたのか」



音に驚いて扉のほうを振り返り、
私を見て2人はそう言ったが、私は何も返さなかった。



 「ナミさん?」

 「どうした」

 「・・・・・・・・」



中に入ったはいいものの、
何を言えばいいのか、何を言ったらいいのか、分からなかった。

だって2人は、普通に話してただけだし。
仲良くしなさいと私も前から言ってたし。

2人は私に責められるようなことは、何一つしていないのだ。






 「・・・・・うー・・・・・」



何も言えないことがまた悔しくて、気付けばポロポロと泣いていた。



 「どどどどうしたのナミさん!?」

 「おいナミ」



2人が慌てて立ち上がり、私の元に駆け寄る。
私の顔を覗き込んだり、頭を撫でてくれたりする間も、
私はただ泣いてるだけだった。



 「本当どうしちゃったのナミさん?怖い夢でも見た?」

 「ナミ、部屋戻るぞ」

 「・・・・・・」



ゾロに肩を抱かれて、私は無言でうなずいた。



 「ゾロ、本・・どうする?」

 「あー・・、明日」

 「OK」



サンジくんがこっそりとゾロに言うのが聞こえて、
やっぱエロ本買ってたか、とか思いながら、
ゾロに引っぱられるように女部屋に戻った。













 「で、どうしたんだ急に」

 「・・・・・・」

 「ナミ」



ソファに座らされ、ゾロも腰を下ろす。

無言で通そうと思ったけど、隣からゾロの視線がビシバシ刺さってくるので、
逃げられなかった。



 「・・・・2人が、」

 「2人が?」

 「仲良くて」

 「仲良くて?」

 「ズルいなぁ、と思って」

 「・・・・はぁ?」

 「仲間はずれみたいで」

 「・・・・何だよそれ」




ゾロは呆れたようにそう吐き捨てて、脱力してソファの背にもたれる。






 「バカみたいだって分かってるわよ!でも何か寂しいんだもん!」

 「・・・・はいはい、じゃあ次はお前も呼んでやるから」

 「・・・・・・うん」



体の向きを変えてゾロにしがみつき、うなずいた。

ゾロが頭を撫でてくれるので、何だか安心してそのまま眠りそうになったけど、
やっぱ一言あれは言っとかなくちゃ、と思って顔を上げる。





 「ゾロ」

 「何だ」

 「でもエッチな本はキッチンで見ないでね」

 「・・・・っっ!!!」

 「せめて男部屋」

 「・・・・・・はーい・・・・」





「サンジとゾロが仲良くて、イジけて泣いてるナミを慰めるゾロ」
10/15に拍手でリクくれた方。
あんまり慰めてないけどねーーー。
あはーーー。
・・・すまん!

2005/11/01

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