作。



その日は、まだ朝のうちに港についた。
ログが溜まるまで1日。
この日はそれぞれ必要なモノを買出しに行って、
翌朝に出発。
ちなみに宿代なんてものは捻出されないので
当然の如く寝るのは船の上。

 「1泊なのに部屋取る気?
  あんたらがバカみたいに食べるからお金がないのよウチは!」

ナミに逆らえる者は、もちろんこの船にはいない。
ということで集合時間は「夕食までに」。

ウソップは船の修理に使う備品補充(あと個人的に使う謎のもの)。
サンジとルフィは食糧の買出し。
ロビンとチョッパーは医薬品の補充と、あとはブラブラ2人でお買い物。

ナミも海図を描くのに必要なモノと、全体の日用品。
前の島からの日数が短かったこともあって、
それほど買い物の量は多くなかった。
両手で持てる程度の袋を抱えて、昼前にナミは一人で船に戻った。



 「ゾーーローーーーーーーーーー」
船番をしてるハズのゾロを呼ぶ。
案の定、甲板で爆睡しているゾロ発見。
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
無言のナミの蹴りが横っ腹に炸裂。
そのままさっさと荷物を部屋へ運んだ。
突然蹴り起こされたゾロは背後で何か叫んでいたが、とりあえず無視しておいた。


荷物を置いてナミがキッチンへと行くと、ゾロは機嫌悪そうに椅子に座って酒を飲んでいた。

 「あんた何勝手に飲んでんの」
 「痛み止め」
 「あら、女のあの程度の蹴りで薬がいるんだぁ?」
 「・・・・・・・」

ナミもゾロの正面の椅子に座り、ゾロがあおっていた瓶を奪い取って、同じように飲む。

 「オレんだぞ」
 「じゃ借金返して」
 「・・・・・・・」

ナミに口で勝とうというのがそもそも間違いなのだ。

 「お腹すいたわね」
 「あぁ、そういやそろそろ昼か?」
 「サンジくん、お昼用意してくれてないの?」
 「船番はおれだぞ?あのコックが用意してると思うか?」
 「・・・まぁ、どうせ寝てるもんね」
 「・・・・・・・(否定できない)」



しばし沈黙。



 「ゾロ、何か作って」
 「何でおれが」
 「お腹すいて動けないわ」
 「おれだって腹減ってんだよ。てめぇが作れ」
 「あんた私の手料理食べたいの?それってプロポーズ?きゃー!」
 「ふざけんな」
 「じゃ作って」
 「・・・・・・」






ゾロは意外に料理ができる。
子供時代にとりあえず色々教えられたらしい。
船番の時も、たまに(本当にたまーーーに)昼時に目が覚めた時は
自分で適当に料理しているらしい。
そしてサンジくんに怒られている。


  例)「ちゃんと元の位置に戻せ!!塩の置き場所が違う!」
    「細けぇこと言うな!じゃあてめぇが昼飯ちゃんと置いてけ!」
    「てめぇはほとんど寝てるだろーが!」




 「・・・・・・ちっ」

意外に早くゾロが折れた。
どうやら結構お腹がすいてたらしい。
椅子に座って、キッチンに立つゾロの背中を見る。






 「・・・・主夫?」
 「・・・・あぁ?」
 「冗談よ冗談」






愛しい人が自分のために料理する後姿。
何てほのぼのした風景。
これってかなり幸せじゃない?







一人幸せをかみ締めていると、ゾロが声をかける。

 「見てねぇでてめぇも手伝えよ」
 「えー、やだ。見てたいんだもん」
 「・・・お前、それじゃ嫁の貰い手ねぇぞ?」

ゾロが嫌味ったらしく呟く。




 「あら、ゾロ、貰ってくれないの?」



 「・・・・あぁ?」



 「貰ってくれないんだ?」




 「・・・・・・・・・」





 「別に今じゃなくてもいいんだけど」











 「・・・・・・・そのうちな」









その後、ゾロの作った名の無い料理を美味しく2人で頂いた。

 「あんたの料理って美味しいんだけど、見た目が微妙よね」
 「・・・作ってもらっといてソレか!」


ラブい。え?ラブいでしょ?あれ?
ゾロの料理はアレです。
例えば「ぶり大根」を作ったら
「何かぶりと大根を一緒に煮たヤツ」ができる、みたいな感じです。
ちなみにサンジくんもナミさんのために料理頑張ってるんですけどね。
なんせゾロナミですから(笑)。

2004/01/17

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