誕。



 「どれにする?」

 「・・・は?」
 「は、じゃないわよ。どれにする?」
 「だから、何」
昼寝の最中ナミに蹴り起こされたゾロは、痛む頭を押さえながら何とか声を返した。
ゾロを見下ろしながら、呆れたようにナミが溜息をつく。
 「あんたね、今日誕生日って覚えてる?」
 「・・・・あーーー・・・・」
海の上に出ると、どうも日付の感覚が無くなる。
航海日誌をつけてるナミはそんなことはないだろうが。
 「あんた忘れてたの?サンジくん達もキッチンに篭って頑張ってるでしょ?」
クソマリモの分際で・・・などと呟きながらも、サンジは船員の誕生パーティーのために奮戦していた。
ウソップもチョッパーも、こそこそと何やら準備している。
船長は相変わらず。
 「で、どれにする?」
 「だから、どれって何だよ」
 「あんたが寝腐れてるから聞き逃したんでしょ」
 「・・・・・・」
蹴り飛ばされる前にナミの声を聞いた覚えはないが、とりあえずゾロは反論するのは止めておいた。
 「仕方ないわね、もう1回言ってあげるわ」
ナミはにっこりと微笑んで、ゾロの横にしゃがみこんだ。
 「あんたの誕生日のプレゼント。
  どーーーーせ『何が欲しい?』って聞いても『酒』なんて面白くない答えを返すでしょうから、
  優しいナミさんが、最初からアナタに3つの選択肢を与えてあげたのよ?」
誕生日を祝うという行為の割には偉そうなセリフで、ナミは続ける。
 「その1、借金帳消し。ただし1を選んだ時点で100万ベリーの罰金よ。
  理由は、私がおもしろくないから。
  その2、このナミさんの膝枕でお昼寝。」
 「おい・・・、その1は意味あるのか?」
 「うるさいわね、次、その3」
3択というか、2択じゃねぇのか、などと思いつつ、ゾロは口を噤む。
 「その3、私のカ・ラ・ダvvvvv」

・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
 「・・・・ちょっと、固まってないで選びなさいよ」
 「2択じゃなくて1択だな・・・・」
 「何よそれ、あ!考えるまでもなく3って事!?ゾロのスケベ!」
 「アホか」
妙なテンションのナミに、ゾロは頭を抱える。
 「で、どれにする?」
 「・・・・・・・・」
 「ど・れ・に・す・る?」
 「・・・・・2・・・、で・・・・・・」
ゾロはナミから目を逸らしつつ、小声で答えた。
 「りょーーかい!」
言うが早いか、ナミは腰を下ろして、ゾロの頭を自分の太腿の上に移動させた。
 「おい!!!」
 「何よ、2選んだのはアンタでしょ」
 「いきなりかよ・・・」
慌てたゾロだったが、やわらかい感触に思わず大人しくなってしまう。

 「こんなにいい天気で、波も穏やか」
 「・・・何だ急に」
膝の上で、意外にもあっさり睡魔が襲ってきたゾロの緑の髪をつまみながら、ナミは独り言のように呟く。
 「夜になったらサンジくんの美味しい料理がいっぱい出て、多分あんたの大好きなお酒も出て、
  ウソップやチョッパーがあんたのために用意したプレゼントをくれて、
  ルフィは・・・多分お肉をくれるけど」
 「・・・だろうな」
ナミの時にも、ルフィは肉をあげていた。
 「かわいいかわいいナミちゃんの膝枕で、真っ昼間から優雅にお昼寝」
 「・・・・・・・・」
昼間なんだから昼寝でいいじゃねぇか、と意味の無いツッコミを心の中でしつつも、
ゾロはナミの声を聞いていた。
その声と、頭の下の感触が気持ちよくて、再び瞼が落ちてくる。
 「・・・・あんたは幸せ者ね」
そうだな、と思いながら、ゾロは眠りに落ちた。

 「・・・・・3、でも良かったのよ?」
 「・・・・・・・・・、うるせぇ・・・・」


短っ!内容薄っ!
2004年ゾロ誕。
自分的に。
いいの!単純に誕生日のお話ってだけで!!(ヤケ)
2人はまだヤってません設定です。
デキてもないです、一応。

2004/11/11

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