過去拍手・其の六 (2005/10/01〜2005/10/31)

必然。

高校2年ゾロ&高校1年ナミ。

「ねぇ、あの人知ってる?」
高校に入学して3日目、中学からの付き合いのルフィに聞く。
「誰のことだ?」
「あそこの、背の高い」
「あーーー・・?あぁ、ゾロか」
「ゾロ?知り合いなの?」
「おれじゃなくて、兄貴の友達。何とか・ゾロってヤツ」
「何とかって何」
「んーーー忘れた。兄貴はゾロって呼んでるし、おれもそう呼ぶからなぁ」
「ゾロ・・・、か・・・」
「いいヤツだぞ。無愛想だけど」
「・・・・・」

あの人の隣に居たいと、
そう思った。
何かされたわけでもない。
何かしたわけでもない。
目に留まった。
ただそれだけで。

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大学1年ゾロ&高校3年ナミ・出会い編です。
ゾロ誕中に続きSSをUP。


将来。

「私がオバサンになっても、ゾロは私のこと好きでいてくれる?」
「あぁ?何だ突然」
「この若くてピチピチの体だけが目当てじゃないわよね?」
「・・・ピチピチて、自分で言うか」
「事実を述べたまでです」
「あ、そ」
「で、どうなの?」
「どうって」
「私は、ゾロがベルトに腹の肉が乗っかったり
 冬なのに脇汗ビッショリかいてフゥフゥ言ったり
 髪の毛が可哀相なことになってるのにやたら脂だけは出てる、
 そんなオジサンになってもゾロが好きよ」
「・・・・・そりゃどうも・・・」
「ゾロは?」
「・・・・おれは」
「うん」
「お前が肉という肉がたるみまくったうえにシワクチャになって
 恥という言葉をどっかに忘れてきたようなオバサンになっても、
 お前が好きだよ」
「そんなオバサンにならないわよ、バカ!!!」
「おれだってそんなオッサンにならねぇよ、アホ!!」

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この2人がそんな年の取り方するわけないもんね!!
キレイに年とりたいなぁ。


名前。

「ナミ」
「なに」
「何でもない」
「何よそれ」

「ナミ」
「だから、なに」
「何でもない」
「用事無いの」
「呼んだだけ」
「用もないのに呼ばないでよ」
「それ本心か」
「何が」
「呼ぶなっつぅのは、本心か」
「・・・・・・」

「ナミ」
「なに」
「呼んだだけ」
「・・・・」
「ナミ」
「・・・・ゾロ」
「ナミ」
「ゾロ」
「ナミ」
「ゾロ」

どっちも退かない。
その声が自分の名を呼ぶのを、聞きたいから。

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バカップル。


場所。

続・兄妹ゾロナミ。
前回のお話:ナミはサンジと結婚しました。

暗い部屋に帰ってくる。
別に気にはならないと思っていたが、
いざとなるとやはり寂しさは否定できない。
返事はもう無いと分かっていても、「ただいま」と言ってしまう自分がいる。
まぁそのうち嫌でも慣れるだろ、と中に入り、電気をつけた。
そして、目にしたものに言葉を失う。

「・・・ん?・・あ、おかえり、ゾロ」
「・・・・・お前、何でいるんだよ」

嫁に行ったはずの妹。
確か予定では、昨日新婚旅行から帰ってきたはずだが。
何故今、この家に戻って、キッチンで転寝なんぞしてやがる。
「・・・ケンカした」
「・・はぁ?」
「旅行中にね、サンジくんったら、現地の子にデレデレしちゃって!!」
「・・お前なぁ、あいつの性格分かってるだろ」
「・・・・」
「女と見たら鼻の下伸ばさずにはいられねぇヤツだけど、知ってたろ?」
「分かってるわよ。本気じゃないって事もちゃんと」
「だったら早く戻れ。旅行から帰ってすぐ女房に実家戻られちゃ、あいつの立場無ぇぞ」
「・・・今日はここに居る」
「・・・」
「私、ここに居ちゃダメ?もう私の家じゃない?」
「・・バカ言うな。ここはお前の家だ」
「だったら、泊まる」
「・・・しょうがねぇな。電話はしとけよ」
「・・ゾロがして」
「・・・・世話のかかる・・・」
「ごめんね・・」
「・・・気にすんな」

(続)

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サンジくんは家で一人で自分の性格を嘆いて泣いてます。
迎えに行こうと思いつつ、ゾロの家にいるのを知っているので気まずくて行けませんでした。
だってどう考えても悪いの自分だからね!(笑)


不変。

「・・・・」
「何だ、どうした。布団湿気てるとか言うなよ今」
「・・・お兄ちゃん、一緒に寝よ」
「・・・ガキじゃあるまいし」
「・・・・・・」
「狭いぞ」
「いいよ」
「ほら」
「ありがと」

ナミがゾロを『お兄ちゃん』と呼ぶときは、本心から甘えたいときだった。
それを撥ねつけるほど、ゾロも妹離れはできていなかった。

「ごめんね迷惑かけて」
「・・・別に迷惑じゃねぇよ」
「ゾロは私の家族だよね」
「あぁ」
「私の居場所はちゃんと、ゾロの中にあるよね」
「あぁ」
「・・・」
「・・明日はちゃんと帰れよ。
 たった1週間の旅行でホームシックじゃ、新婚生活やってけねぇぞ」
「・・・うん、大丈夫」
「サンジはお前にベタ惚れだから、心配すんな」
「うん」
「おやすみ、ナミ」
「おやすみ、お兄ちゃん」

結婚して誰かの妻になったとしても、
この腕の中の存在は、自分にとっては変わらぬ、愛しい小さな妹。
しかしそれでもいつかは離れていくと、
ゾロは名残惜しげにナミを抱きしめて眠った。

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兄離れできない妹と、突き放せないシスコン兄。
サンジくんは翌日目の下にクマ作って迎えに来ます。


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