守。








 「あれ、どうしたのロビンちゃん」

 「コーヒーもらえるかしら?」






ロビンがやってきたのは、サンジがキッチンの掃除を終えてそろそろ寝ようかとしていた頃だった。

申し訳なさそうにそう言いながら、ロビンは椅子に座った。






 「喜んでvv ・・・でも今日って、深夜番じゃなかったよねぇ」

 「えぇ、でもちょっと・・・部屋に戻れなくて」

 「戻れない?」





カップを取り出しながら尋ねたサンジだったが、ロビンの困ったような口調に振り返った。

ロビンは肩をすくめて苦笑していた。







 「剣士さんたちが・・・そのまま寝ちゃってるの」

 「・・・・・・・・・」




思わずサンジの手が止まった。
ロビンはテーブルに両肘をついて、組んだ手の上に顎を乗せてクスクスと笑っている。




 「構わないんだけど、航海士さんが朝になったら気を悪くするかもしれないから」

 「マリモを叩き起こせば・・・・」

 「だって、すごく幸せそうなんだもの、2人とも」

 「・・・・・・・」

 「それなのに、起きて私がいたら・・・彼女気を遣うでしょう」




ゆっくりとカップにコーヒーを注ぎながら、サンジは小さく呟いた。




 「あそこは、あの2人の部屋じゃなくて・・・ナミさんと、ロビンちゃんの部屋なんだよ」

 「いいのよ、だから今晩はキッチンに居ても構わないかしら・・・・?」

 「そりゃいいけど・・・」

 「コーヒー、多めに作っておいてもらえる? ごめんなさいね、手間取らせて」




差し出されたカップを両手で受け取りながら、またロビンは申し訳なさそうな顔で告げた。




 「OK。・・・2人分だね」

 「え?」

 「レディを一人置き去りになんてできません!」




サンジはにっこりとロビンに微笑みかける。
戸惑ったロビンに構いもせず、サンジは夜食でも作る気なのか冷蔵庫へと向かい、中から色々と食材を取り出し始める。




 「でも・・・コックさん朝早いでしょう? ちゃんと寝ないとダメよ」

 「いいんだよ、慣れてるからさ。それとも眠くなったらロビンちゃんの膝の上で〜・・・・」

 「じゃあ2人で徹夜しましょうか?」

 「は〜い・・・・」



あっさりと笑顔でかわされ、鼻の下を伸ばしていたサンジはシュンとなる。
どうにか気を持ち直して、両手の包丁をクルリと一回転させてから料理にかかった。










トントンとリズムのいい包丁の音を聞きながら、ロビンはサンジの後姿を見つめていた。



 「・・・・ありがとう、コックさん・・・」

 「・・・・泣きたくなったら、いつでもこの胸お貸ししますよ〜」

 「あら、どうして私が泣くの?」

 「いや、その・・・・」




冗談めかしたサンジの言葉に、ロビンも軽い調子で返した。
思わず言葉に詰まったサンジの様子に、ロビンは小さく噴出す。




 「・・・分かってることだもの、平気よ」

 「・・・・・・・」




サンジはいったん手を止めて、無言でロビンに向き直った。
目があって、ロビンは首をかしげて何?と問うた。





 「おれさ、ロビンちゃんのこと好きだよ」

 「・・・・あら、嬉しい」

 「おれだけじゃなくて、ルフィもチョッパーもウソップも・・・・」




タオルで手を拭きながら、シンクに寄りかかってサンジは続ける。





 「・・・ナミさんも、ゾロも」

 「・・・・・」

 「みんな、貴女のことが好きだよ」

 「・・・・ありがとう」




しばらく2人は見詰め合ったまま何も喋らなかった。







沈黙を破ったのはサンジの方で、

 「まぁ・・・おれのロビンちゃんへの愛のデカさには、そりゃ敵わないですけどね〜vvv」

と目をハートにしながら体をくねらせた。





 「・・・・やっぱり、泣きたくなったら貴方のところで泣いてもいいかしら?」

 「・・・・喜んで、と言いたいところだが・・・、できれば泣いてほしくないね」

 「・・・・」

 「美女の涙ってのもソソるけど、貴方は笑顔が似合うよ」

 「・・・ふふ、ありがとう」

 「それそれ、その顔v てことで、2人で朝まで愛を語り合おうかロビンちゃんvv」

 「愛はともかく、よろしくねコックさん」



あっという間に作り上げた夜食の皿をテーブルに並べながら、
サンジとロビンはまた2人で微笑み合って、キッチンで夜を明かした。























いつも大人のレディらしい美しい顔で、微笑んでいる貴女。
そんな貴女が、子供のように少女のように笑うのが、あのマリモ剣士の隣でなんて。


それがおれの隣じゃないとしても。
貴女のそんな笑顔をおれは守りたいから。




だからどうか泣かないで。

どうか笑っていてください。




大切な貴女の笑顔を、どうかおれに見せていてください。





2006/03/27 UP

サンジ→ロビン→ゾロナミ。
ゾロが無神経すぎて腹が立ちます(笑)。
つい、ね。つい。
でもロビンちゃんは慣れてるので、こんな事くらいじゃへこたれません。

サンジ→ロビンを書くと似たようなのばっかりに・・・・(挫折)
サンジくんも色々複雑で大変です。
君はとことん尽くす男であってほしいよ、サンジくん。。。

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