掛。
「好き」
「・・・・・何の冗談だ?」
交替のために見張り台に登ったゾロは、
ロビンから双眼鏡や毛布を受け取りつつ、早くもあくびをしていた。
ロビンははしごに手をかけていたが、ふと動きを止め、
そして、好きと告げた。
「冗談言ってるように見える?」
「・・・・・」
ロビンは手すりに両肘をかけてもたれた。
いつもの余裕の笑顔のままで、首をすくめる。
「冗談だと、思いたいの?」
「・・・・・」
「私を女として見られない?」
「・・・・・」
無言で睨むように見てくるゾロに、ロビンは思わず苦笑する。
「それとも・・・見ないようにしてるのかしら?」
「・・・・・」
「否定もしないのね」
「・・・おれは・・・・・」
ようやく口を開いたゾロを、ロビンは笑って制した。
「いいのよ、答えは出さなくて」
「・・・・」
「答えなんて、いらないの」
ただ知っておいてほしかっただけだから。
私を見るあなたのその目の中に
少しでも私の場所があるのなら。
私はそれで満足なのよ。
「・・・でもあなたも、自覚してるんでしょう?」
「・・・・・何を」
「航海士さんが最近、御機嫌斜めな理由・・・」
「・・・・関係ねぇだろ、それは」
「ふふ」
「・・・勝手にいいように解釈してんじゃねぇ」
「分かってるんでしょう・・・?」
揺れている。
それは私の驕りかしら。
ロビンは最後にまた微笑んで、はしごを下りて行った。
ゾロはロビンが甲板に足を着けるのを見届け、
小さく舌打ちをし、腰を下ろして毛布にくるまった。
頭上の舌打ちを聞いて、ロビンはクスクスと笑う。
彼はまだ自覚していなかったのかもしれない。
でももう気付いたでしょう?
私の気持ちにも。
あなたの心の奥の気持ちにも。
この船の航海士を泣かせる気など、毛頭無い。
奪い取れるような相手ではないと、ちゃんと知っている。
傍に居られるだけで満足。
それは確かな本心。
だけど、
いつまで『我慢』できるかは分からないわよ?
2006/02/11 UP
ロビンちゃんの先制攻撃です・・・。
潜在的ゾロロビ、みたいな・・・・・。
うん・・・・。
いやまぁ、最初はこんな感じで・・・・最初だし・・・(ボソボソ)
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