代。







 「ゾローーー!!! 暇だ! 遊べ!!」




甲板で昼寝していたゾロの腹をめがけて、ルフィは全力で突撃していった。

ゾロはぐぇ、と呻いてから、体に巻きついてくるルフィを引き剥がす。




 「・・・おれは今忙しいんだ! 邪魔すんな!!」

 「忙しいって、寝てるだけじゃんかよ」

 「うるせぇ、寝るのに忙しいんだ」

 「何だよそれ、いいだろーー相手してくれーー」

 「ウソップとチョッパーはどうした」

 「何か実験中で、追い出された」

 「あぁ・・・なるほど・・・・」




ルフィがいては成功する実験も大失敗に終わってしまうのだろう。
追い出された理由がいまだ分からないルフィは、首をかしげつつゾロの前に座り込む。




 「てことで暇なんだよ、相手しろ」

 「しろ、って何だよ」

 「船長命令ってヤツだ」

 「・・・・・」



『船長命令』には逆らえない。
たとえこんな下らないものでも。








 「・・・・で、何すんだよ・・・」

 「お前に話があんだ」

 「・・・話? お前が?」



鬼ごっこしよう、とでも言われたらどうしようかと思っていたゾロだったが、
真面目な顔になったルフィを見て一瞬言葉に詰まった。





 「やっとお前らしくなったよな」

 「らしく・・・・?」

 「まっすぐだ、フラフラしてねぇ」

 「・・・・・・どうも」



ルフィが何の事を言っているのか分かって、ゾロは若干渋い顔でそう返した。





 「最初からこうなるって分かってんのにな」

 「・・・」

 「それなのに、何であいつはあんな意固地なんだろうなーー・・・」

 「・・・・・・」

 「すげぇムカつくよ、お前」

 「・・・・・そりゃ悪かったな」




ルフィの言う『あいつ』が誰なのか、ルフィが何故自分にムカついているのか。
ゾロは思わずルフィから目を逸らした。






 「とりあえずゾロ、殴らせろ」

 「何でだよ」

 「あいつを泣かせたヤツはおれが殺すって決めたんだ」

 「・・・・・・」

 「でもあいつがダメだって言うから、殴るので勘弁してやる」




ニヤリと笑うルフィに目をやって、それからゾロは苦笑いした。




 「・・・・・分かった、来いよ」




そう言って立ち上がる。
ルフィもそれに続く。




 「気合入れろよ、ゾロ」




ぐっと拳を握り、ルフィは構える。





骨が砕けたかと思うほどの音を響かせて、ゾロは甲板を横切って吹っ飛んでいった。













 「・・・・・・・・・さすがに、キク・・・・」

 「そりゃそうだろ」




数m先で、口元を拭いながらゾロはゆっくり体を起こした。
その様子にルフィは得意げな顔をする。






ゾロはペッと血を吐き出して、立ち上がった。



 「約束しろよ、ゾロ」

 「何を・・・」



距離を置いたまま向かい合ったルフィは、低い声で言った。




 「ナミを泣かすな」

 「・・・・・・その約束は、できねぇ」

 「じゃあ言い方変える。 あいつを哀しませるな、一人にするな、傷つけるな」

 「・・・・・・・分かった」

 「もし破ったら・・・・おれがナミを貰うぜ?」




そう言って口端を上げるルフィに一瞬目を見開いたゾロだが、すぐに苦笑する。




 「冗談言ってんなよ、お前はロビンが・・・・」

 「冗談じゃねぇよ? おれは船長だぜ、この船のモンはみんなおれンだ」







 「・・・・・・・・・・他の男にゃ、死んでもやらねぇよ」

 「へへっ」




自分と同じようにニヤリと笑って言った答えを聞いて、
ルフィは嬉しそうにゾロの傍に走り寄って、肩を組んだ。




 「ロビンのことなら心配すんな!」

 「・・・・そうか」

 「お前もナミも、ロビンも、全員この船の仲間だからな!!」

 「・・・・そうだな」






 「じゃあとりあえず、鬼ごっこでもするか!!」

 「・・・・・やっぱりするのか・・・・・」





2006/05/21 UP

とりあえず船長さんですから、責任持ってけじめ(?)はつけないとね。
うーーん、何か文章書けないなーーー。
ちくしょう、それでもUPしちゃいますぜ。

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