華。
「おれ、欲しいモンがあんだ」
5月5日。
麦わら海賊団の船長、モンキー・D・ルフィは笑顔で皆にそう言った。
「・・・あんた肉しかいらないと思って、他に何も用意してないわよ?」
航海士ナミは、慌てたようにそう答える。
食に関すること以外は物欲のあまり無い船長の発言に、
他のクルーも困ったように顔を見合わせる。
「大丈夫だ、ここにあるから」
「え? ここって・・・、船の中に?」
「あぁ!」
ししっ、とルフィは笑う。
皆は思わず周りを見渡すが、検討もつかないので結局ルフィに視線を戻した。
「何なの?」
「へへー、ナミとロビン!!」
「「「「「「・・・・・・は?」」」」」」
「お前ら2人、今日一日おれの隣にいろ!!!」
船長の言うことは絶対。
そもそも本気の彼に逆らえる者などいない。
サンジの怒りも何のその、結局ルフィはメリー号の美女2人を一日独占することになった。
食事のときは、ルフィを挟んで2人が座る。
ルフィがメリーの上に乗っているときは、同じようにその傍で海を見る。
当然、ウソップたちと遊んでいるときもそれに加わることになる。
ナミは最初は『仕事ができない!』とブツブツ言っていたが、
(ルフィに振り回されるとはいえ)久しぶりに仕事もせずにのんびりできて、
段々と笑顔を見せるようになっていた。
ロビンも読みたい本があったようだったが、ルフィらに混じって遊ぶことを結構楽しんでいた。
気に入らないのは、サンジだった。
いつもならば2人はキッチンで日誌を書いたり本を読んだりしているのに、
今日はずっと船長の隣にいる。
それでも船長への誕生日プレゼントだと言われれば無理矢理引き離すわけにもいかず、
キッチンの窓から甲板のハーレムの様子を羨ましく見下ろすしかできないのだった。
「情けないツラしてんなよ・・・」
「・・・・・・・てめぇだって、えらく寂しそうじゃねぇか?」
「誰が寂しそうだと!?」
普段ならば、みかんの木の手入れをするナミの傍で昼寝をかましているゾロだったが、
今日は何故かキッチンにいた。
「ナミさんに相手してもらえなくて寂しいんだろ?
あいつらの姿見てらんねぇからココにいるってワケだ・・・」
「・・・・勝手に言ってろ」
「あーー、クソゴムのヤツ・・・おれもああいうリクエストすりゃよかった・・・」
「多分来年は禁止になってるぞ」
「・・・かな・・・・・・・」
窓にへばりついて悔し涙を流すサンジの姿を、
ゾロは呆れつつも強くからかえず、机に突っ伏して昼寝をすることにした。
そんなゾロを無視して、サンジはひたすら3人の姿を眺めていた。
「お前らさ、何でゾロがいいんだ?」
手すりに腰掛けて、ルフィは釣り糸を垂らしながらそう言った。
甲板の反対側では、ウソップとチョッパーがホラ話に盛り上がりながら同じように釣りをしている。
ルフィを挟んで、ロビンとナミは手すりに肘をつきぼんやりとその糸の先を見下ろしていたのだが、
突然の質問に顔をあげてルフィを見返す。
「何よ、どういう意味?」
「確かにゾロはいい男だ!
でもよりにもよって、この船の女2人が2人ともあいつに惚れなくてもいいじゃんかよー・・・」
「あらあら・・・・」
「何拗ねてんのよ」
ぶー、と頬を膨らませるルフィの姿に、ナミとロビンは苦笑する。
「あんたのことも大好きよ、ルフィ?」
「えぇ」
そう言って2人は、ひょいっと手すりに上ってルフィと同じように腰掛けた。
そしてルフィの両側からその頬にキスをした。
一瞬驚いて目を丸くしていたルフィだったが、すぐに満面の笑みになる。
「おれもお前らのこと、大好きだぞ!」
「あら、それなら相思相愛ね?」
「ほんとね」
「あぁ、そーしそーあいだ!!」
「じゃあ愛する私たちのために美味しいお魚釣ってくれる、船長さん?」
「まかせとけ!!」
「お肉は全部あんたが食べちゃうからね」
「あぁ、それもまかせとけ!」
「何よそれ」
ナミがクスクスと笑い、つられてロビンも笑い出す。
ルフィは相変わらずの笑顔で、
ふと振り返ったウソップたちは3人の姿を見て思わず頬を緩ませた。
ただ一人、サンジだけはキッチンで鬼の形相だったが。
「今日はいい日だなーー。おーいサンジ!! 肉持ってこーい!」
「明日からは肉抜きだからなクソ船長ーーー!!!!」
「何でだーーー!!!?」
何故か涙混じりの2人の声に、ナミとロビンは声を上げて笑った。
2006/05/05 UP
えーと、ルヒ誕ですよ。
これでも一応、ルヒ誕ですよ。
またまたちゅーネタです。
えへ。ネタかぶりvv(堂々と)
全部終わってみると、ウソ誕SSだけが何か可哀想だなぁ。。。。
まいっか(爆)。
誕生日おめっとー船長!
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